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だらだらまんが道2 ジプシー時代編

大学3年の終わり・・・正月前だったと思う。
法政漫研のほうに、OBが「仕事手伝ってくれ」と、言って来た。
要するにバイト。

その当時、O文社に中一時代〜蛍雪時代という
中学、高校の学年誌があって、
それぞれに「読者ページ」があった。

で、それを一括して下請けする編集プロダクションを作るんだけど、
そこのプロダクションで、
「子供のハガキ読んで、面白い読者ページ」をつくろうという
人間はいねえかあ?・・・という話。

O文社、全部の学年の読者ページを合わせたら、相当な分量になる。
したがって、人数も5〜6人必要・・・と、いう話。
話を持って来たのは、漫研のOB、せとたつや先輩。
すでに、O文社で、長年読者ページをてがけ、
デザインから文章、イラストまで一括して引き受けており、
それが好評なため、すべての学年でやることになったんだ・・・とか言う話だった。

今から考えると、結構いいかげんな話なんだけど、
編集とかライターの仕事に興味があった僕は
「ああ、いいすよ〜」とか言って、適当に部員の中から希望者募って
仕事を手伝うことになった。

ところが、この話には裏がイロイロあって、結局のところ、
せとたつ先輩とO文社の間に行き違いがあり、
編プロ設立どころか、仕事も当初の予定から激減。
普通、こういう状態になれば、
「スマン。うまく話がすすまなかった。集まってもらって悪いんだけど解散」
って、なると思うんだけど、せとたつ先輩は、
それをせず、1年がまんして、来年度こそは会社設立をめざすから
「協力してくれ!」と、言い出した。

こうして、
少ない仕事を、6人で分け合うというのは無理だから、3人だったかが残り、
せとたつ先輩の指導のもと、読者ページ製作のバイトがはじまった。
バイト代は、今では考えられないくらいに安かった。
でも、誰がどう見ても、せとたつ先輩も貧乏なので、
「もっとくれ」とは言えなかった。本当に、みんな貧乏だった。

で、仕事を面白可笑しくやりながら、
4年になり、就職の時期になる。
当時はバブル景気で引く手あまた。
まともに就職しようと思って、会社を的確に選べば、楽勝だった。
でも、僕は就職する気がなかった。
このまま、この仕事やって、編プロになったら、そこに勤めればいいや〜
くらいに思っていた。とりあえず、仕事が面白かったし。

仲間のひとりは、ちゃんとした広告代理店に就職が決まった。
もう一人は、ちょっとした事件にからんでしまい、就職はあきらめて、
僕と同じように、「そのまんま」となる。

この1年間は、いわば、「編プロ準備期間」で、
事務所借りるお金もないため、事務所代わりに、O文社のロビーの机を占拠、
ロビーでつい大声を出して、注意されながら、
目立たないように、でも、好き勝手に仕事をやった。
O文社の社員のみなさんが、なんとなく事情を察してくれて
あたたかく見守ってくれたというわけ。

で、いつも会社のロビーにいると、
「ちょうどいいや。あんたんとこで、コレやって」・・・ということで、
読者ページだけでなく、パズルやクイズ、雑学、生活記事なんてのの
ページも任されるようになり・・・
まあ、仕事内容も、たぶんそれなりに評価されたんでしょうね。
結局2年近く、ジプシー編プロ(疑似)軍団をやって、
せとたつ社長の編集プロダクションが船出しました。

正確にいうと、せとたつ社長の編プロは、ワンクッションおいて・・・
はじめ、別の親分の傘下の団体を半年やって、それから
独立したんですが、その話はややこしいから、いいや。

とにかく、飯田橋から九段下のほうに降りていって、
競馬新聞の「勝馬」の近所の、おそろしくボロな木造の小さな家屋の
2階に、せとたつ社長と、その片腕Y先輩、せとたつ社長の奥さんの環さん、
もと朝日小学生新聞の編集長Yさん(ちょうど会社やめたので、合流。せとさんの友達)、
僕、僕の大学時代からの親友、中村亮で
編集プロダクション、「ギャグバンク」が船出した。85年の夏だったと思う。

まあ、とにかく、あんなみじめでデタラメな状態から
会社おこすとこまで行くなんて、結局のところは
バブル時代だったから・・・ということも、あるんでしょうね。
と、いうか、それだけのような気もする。

大きな会社は、得体の知れないとこ(不動産とか株式とか)から儲けが出ていて、
だから、社員が働かなくてもよくなったの。
5時になると、さっさと帰る。
で、当然、それじゃ仕事にならないから、
僕らみたいな「便利屋=編プロ」が必要になった。
ただそれだけだったような。

(つづく)
by uorya_0hashi | 2007-09-11 18:41 | だらだらまんが道
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