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ど根性ガエル解説漫画

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(すみません。昨日だかおとといに、ツイッタで書いた文章の流用です)

今月30日のコミティアで出る、「ど根性クラブ」の同人誌、「ど根性ガエル 単行本未収録作品集 第3巻」に「解説漫画」を2ページ描かせてもらいました!

解説漫画描くために、単行本全27巻を読みまくってしまいました。仕事しないで。なので、かなりスケジュールがキツキツに。で、絵を書き出したら、恐ろしいくらいにスラスラ描けるのでビックリ。子供の頃、模写してたのが染み付いていたと思われる。

まあ、キャラクターの顔は、吉沢先生の絵と見比べれば、「やっぱり違う」んだけどさ。ペンタッチとか…生成りのまんまで「良く似てる」から、自分でも驚くくらいシックリ来たなあ。やはり「吉沢遺伝子」が、俺の身体に流れているのだろう。恐るべし。

漫画の内容は、ツイッタでブツブツ書いてたのと、あんまり変わりません。コメントくれた人のネタも生かしていたりします。(パクったとは言わない)本当は、もっと分析的に描こうかと思ったけど。読者が読んでて、本編思い出すキッカケになったほうがいいだろ…と、判断。初心者むけの解説かしら。

しかし、あらためて「ど根性ガエル」を通して読むと…連載は5年間!? 毎週読みきり連載! しかもコマの中の絵は、基本的にはロングショット〜ミデイアムショットで、身体全体を書く。登場人物の数も異様に多いし。考えるのも描くのも大変だったろうな…。

で、連載始めて、後になればなるほど「面白い」のも凄い。読んでた読者が飽きて来た…とか、作者が疲れてしまった…というので終わったのかもしれないが、話は後のほうが面白いと思う。あと、この漫画は「ギャグ漫画」ではない。亀有に似た「コメディ」というか、「笑えるストーリー漫画」だ

「男はつらいよ」の影響がかなり強くて。「シラノ・ド・ベルジュラック」の筋立てが繰り返し出て来る。ピョン吉が「平面カエルらしい活躍をする」のは、主に最初の方で、途中から、そういう話はグッと少なくなる。…アニメの印象とは、また違うね
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by uorya_0hashi | 2011-10-20 19:10 | 漫画関連

二十面相の娘

(この記事は2010年1月18日に某SNSで書いたものです)

本編全8巻を読みました。
つい、イッキに読んじゃった。

で、感想なんですが。

お話も設定も「鉄人28号」に似たとこがありました。
たぶん、作者の頭にも「鉄人」があったと思います。
「鉄人」と「足ながおじさん」と「白雪姫」まぜたようなお話。

ですから、話のトーンは陰気くさくなります。
それじゃシンドイので、コメディリリーフのキャラも出してますが、
あんまりうまくいっていません。うまいぐあいに話に絡まない。
水と油が分離したままみたいな感じ。

「白雪姫」みたいな部分・・・まま母いじめとか財産のっとり・・・の話は、
「二十面相の話」にあまり関係がないので、
あんまり引っ張らないほうがよかったんじゃないのかな。

あと、全体が続いた1本の漫画・・・みたいな形式の単行本に
なってますが、そこがあんまり良くないですね。
ちゃんと「鉄人」の「後期」みたいに、
1話1話の独立性を高めて、一つの話ずつ、クッキリ終わらせ、
単行本でも、「何とかの巻」でトビラつけるくらいやったほうがよかった。

全体が、完全に連続した漫画だ・・・と判断すると、
イラナイものがたくさんあるんです。この漫画。

中短編がいくつも並んでると判断すると・・・
「推理もの」の回があったり、「コメディふう」「お化け屋敷物語」
「都市伝説」「悪魔の秘密兵器」とか・・・
その巻、その巻で、単独でまとまってて、話のトーンが変わるのも
納得出来る。一回こっきりで出て来ないキャラとかも合点がいく。

単行本では、そのへんが曖昧なまま編集されてて、
「全体が続いた話」に読めちゃうから、
「あれ? あのキャラ、もう出て来ないの?」「なんだったのアレ?」
とか思っちゃいます。
目次読めば、「何とかの巻 その1」とか書いてあるんですけど、
続けて漫画読んでて、そんなこと意識できるようになってない。

「後期の鉄人」みたいに「短編が連続して行く」形態にしたら、
いろいろスッキリしたのに。惜しい。単行本編集がイマイチ。

横山光輝調の物語性重視の漫画・・・・古い形態の漫画が好きなひとには
オススメです。

でも、「キャラクター性」が前に出てる、今風の漫画・・・・
キャラの履歴書が、漫画始める前にガチガチに出来てないと嫌だ!・・・
なんていう感覚のヒトには合わないんじゃないの?
とか思いましたが。
キャラは薄いです。そのへんも横山ふう。

自分には、合いました。面白いと思う。
最後まで書き切ったから、そのへんもアッパレ。
ちゃんと終わってる。(いちおうだけど)
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以下は、某SNSでついた、友達のコメント
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G1さん(漫画好きアニメ好きの大学院生)  2010年01月18日 02:13

「二十面相の娘」のアニメ版って、現代オタク御用達(?)の平野綾が
主人公の声と主題歌を担当したのに話題にすらならなくて全然売れなかったんですよね。
作者の小原慎司は元々サブカル系の漫画家だし、
確かに辛気臭くてキャーキャーいわれるような作品ではないとは思ってましたけど、
うおりゃーさんの話を見てなんとなく「話題にならなかった」理由が分かったような気がします。
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G2さん(40歳代の漫画おたく) 2010年01月18日 05:19

小原愼司はデビュー当時からフィーリングが合うので読んでいる作家さんです。
アフタヌーンの『菫画報』あたりが1番好きです。
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うおりゃー  2010年01月18日 11:14
>G1さん

まあ、アニメはアニメだし、漫画は漫画で別のモンだし。
ウケなかったからといって、つまらないってわけでもないし。
売れなかったからといって、無価値でもない。

漫画のほうは、充分、面白いと思いますよ。
特に40歳代の漫画ファンにはオススメだと思いました。

でも、他の世代には、おすすめしてもしょうがないんじゃないのかな。
良さなんて、わかんないと思う。

>G2さん

『菫画報』が好きだ!・・・・というヒトは多いですね。
僕は読んだ事ないんです。古本で見つけたら、読んでみるつもりです。

自分に正直な漫画家さんで、
どっちかというと不器用なタイプに感じました。

この漫画家さんは、漫画感覚が「昭和」なので、絵もゆるいですし、
大ゴマとドアップ連発の「平成漫画の手法」が合わないんじゃないのかな。
資質として。

同じお話で、
もっと細かいコマ割で、
アップよりもロングかミディアムショットで見せて、
「背景」を重視した画面だったら・・・(ようするに昔の漫画)
だったら、もっと面白くなってたハズです。

「昭和のお話」と「平成の漫画の手法」が噛み合なくて、
ちょっと妙なことになってる。
「お話」と「漫画の作法」って、一体だと思うんですが、

バラバラにして別々に考えてる編集者が多くて、
「見せ方は今風でないと、読者ついて来ない」とか言って、
話を薄くして、大ゴマ連発させるから、
水と油が分離したような・・・イマイチうまくいってない漫画に
なるんじゃないのかな。

フラッパーみたいなマイナー雑誌で
メジャーな平成漫画のマネしても意味がないから、
おかまいなしに「ここでだけ生き残る昭和漫画」で行けばよかったのに。

そのフラッパーも、去年だかに、中の人が入れ替わり、
「平成おたく雑誌」になっちゃったみたいですけど。

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この記事書いたあと、
「二十面相の娘」の別巻3册と、「菫画報」全4巻を読んでみました。

「二十面相の娘」の別巻では「少女探偵団」が面白かったです。
「菫画報」は、これはかなり面白い・・傑作漫画だ! と思いました。

この作者の漫画で、一番面白いと思った。読んだ中では。
「菫画報」のキャラクターが一番イキイキしていて・・・
他の漫画はそのキャラクターのバリエーションみたいな感じにすら、思いました。

一話完結の読み切り漫画の連作なのですが、
切り口はバラエティに富んでいて、試行錯誤が面白さに繋がってます。

ただ、「面白さ」を一言で表現できないところがあり、
一見しただけでは、良さがわからなくて、「普通の古典的な学園漫画だろ」くらいに
見えちゃうんですね。
読んでみると「古典的な学園漫画」の良さと、
そこから「ズレた」変な登場人物が面白くて、書かれている人間関係が心地よいんです。

単行本4巻で終わっちゃうんですが、
終わるのが非常に惜しくて、このまま40巻くらい、ダラダラと延々と
漫画を楽しませてほしかったです。

漫画の内容と、漫画の文法みたいなのも、ピッタリ合わさっていて、
違和感がまるでないです。「昭和の漫画」の良い所が、ちゃんとまとまってるような感じ。
「二十面相の娘」で、感じた「無理してるような・・・大ゴマの違和感」はゼロです。

そもそも大ゴマじたいが、めったにないんですけれども。
「菫画報」を読むと、比較ができますから、
比べてみると、「二十面相の娘」は少し無理してるような違和感がありました。

で、「菫画報」には「少年向け探偵もの・・少年探偵団」みたいな話が何回かあり、
作者がこういうジャンルが好きで得意だということがわかりますから、
そのへんをブロウアップさせたのが「二十面相の娘」なんでしょうね。

ただ「二十面相の娘」は、「パラレルワールドの昭和の世界」の「世界観」が
重要な漫画になっていて。
たぶん、背景とかを緻密に、克明に描いて行くと、面白さが倍増するジャンルの漫画だと思います。
つまり・・・「絵がべらぼうにうまい漫画家」がビジュアルに惜しみなく労力をつぎ込むと
面白さが倍増する類いのものなんですが、

小原先生は残念ながら、そこまで「ビジュアル偏重主義者」ではなくて、
「背景なんかは雰囲気が出てればそれでいい。時間がないからベタですませよう」みたいな
普通の漫画家・・・
「キャラクターの生き生きしたやりとり」を「まず、第一に描きたい!」という漫画家さん・・・
なので、作品世界の求める資質と、作者が生来持ってる資質が合わなかったんじゃないのかな。

たとえていうと、小原先生の漫画は高橋留美子の漫画に近くて。
「キャラクターの面白さが一番たいせつ」という点では。

高橋留美子が、大友の「アキラ」とか、士郎正宗の漫画みたいな・・・
「背景を書き込まないと面白くならないタイプのSF」に挑戦しても、あんまり面白くならない・・・
というか、苦労に見合った成果は得られないのではないか・・・
と、思います。

そう言う話に似たような・・・「企画のポイントがイマイチずれてたんじゃないの?」みたいな
気もしますね。

そんな「邪推」はさておき。
「菫画報」は大傑作だから、どこかの雑誌で復活させて、あのまま、
延々と続編を書いてほしいなあ。
どこかの雑誌でなんとかしてもらいたい。
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by uorya_0hashi | 2010-08-22 12:11 | 漫画関連

ヒストリエ

岩明均の、ギリシア史劇なんですが。

本当に面白いね。
息子が5巻まで買って来て、「面白いよ」と薦めるので、
読みだしたら・・・

締め切り前なのに、みんな読んじゃった。ははは。

ハッタリが少なくて、
人の目の高さで見た画面を重視した、ジミな絵作りは相変わらず。

で、そのジミで静かで生活感のある空間で、
異様な惨劇が起こったりする。寄生獣のときと同じ。
残酷描写が呼び物ですねえ。

でも、話がとにかく面白い。
ネタ振って、読者に『?』と思わせて、
単行本1巻くらい進むと、ちゃんとナゾが解ける。
あんまり、ナゾを引っ張らない。語り手に責任感のあるストーリー。
大長編漫画によくある「伏線貼っておいて、種明かしまで
あまりに時間を経過しすぎて、読んでる方は、なんの話だか忘れちゃう」
という「困ったコト」はやらない主義みたいですね。
とても親切だと思います。こうじゃなきゃ、イカン!

間を重視した、「トボケたような描写」が、この作者の持ち味。
テンションの高いキャラはめったに出て来ない。

間を重視して、ユッタリ見せてるので、
普通は「なかなか話が進まない」と、なりそうなんだけど。
「省略法」がやたらにうまくて、ポーンと時間軸が飛ぶ。
だから、お話がいい具合に進む。本当に、うまいなあ。
こんなの、どうやったら、書けるのかな。

主人公エウメネスは、おそろしく賢くて、
ふだんはやさしく温かなくせに、いざ、事が起こると、
冷酷で「やることはやる」し、諦めるのも早い。

淡白なの。基本的に。でも、奥行きがある。二重性というか。多面的な性格。
とにかく、ほれぼれするような、「理系ヒーロー」なのは確か。

往年のアメリカのテレビドラマ「マクガイバー」みたいに、
ピンチにあうと、「そのへんにあるモン」で、テキトーにみつくろって、
鮮やかに切り抜けてしまう。
たぶん、マクガイバーがヒントになってるんじゃないか。

5巻まで読んで・・・

やっと、主人公の「宿敵」というか、最大の対立軸
になりそうな、後のアレクサンダー大王が登場。

たぶん、話が終わるまで、このペースだと20巻くらいになりそうだ。
連載している「アフタヌーン」では、よくお休みしてるらしいが、
さっさと書いてもらいたい。そんくらいに、面白いなあ。

問題点と言えば・・・・。
キャラクターの顔のパターンが、そんなになくて、
よく似たやつの微妙な違いで、違いを見せてくれる。
ちゃんと書き分けてるし、表情もよく出てるから、凄いんだけど、
もうすこし、顔のレパートリーがあってもいいかもしれない。

そのくらいしか思いつかない。

なんか、不思議な絵なんだよね。
「他の漫画家の誰かに似てる絵だ」とかいう分析ができない・・・
「系列」をほとんど感じないんだ。ホンモノということなのかも。

とにかく、うまいよね。
ハッタリを押さえて、キッチリ見せるのは、相当にうまくないと書けない。
史劇にピッタリ。地に足をつけた歴史劇。

はやく続きを出せ!

(この日記は2009年8月19日某SNSで書いたものです。以下は友達とのやりとり)

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Hさん(漫画家)  2009年08月19日 01:51

連載の方は完全に単行本にするために載せてると割り切ってるみたいで、
細かい描写(軍隊の行進とか)は鉛筆描きのまんまだったりします。
地方在住(だったはず)なので、アシがいないんでしょうね。

絵がうまいわけでもないし、キャラの表情が魅力的というわけでもないのですが、
話とのバランスでつい見入ってしまう不思議な魅力がありますよね。

このペースじゃなかなか進まないよなあと思っていてしばらく休載してる間に、
ひょいっと時間軸が一気に進んでいて、最初はえっ?と思うんですが、
10ページくらい読むと何となく納得してしまう。
これって何だろなあと思ってたんですが、
テレビの時代考証番組みたいな展開の仕方だと思ったです。
この辺の間の取り方がうまいよなあとも思うです。
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Iさん(40歳代の漫画ファン) 2009年08月19日 09:59

「ヘウレーカ」(白泉社)もオモロいですよ。
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うおりゃー  2009年08月19日 21:02

>Hさん

絵はうまいと思うよ。

基本的に少女漫画みたいな見せ方なんだね。
人物を目の高さで、カメラアングルに凝らないで書いている。

これ、ヘタクソが書くと、画面がもたなくなるよ。
見てて退屈する。心理描写が中心の少女漫画なら、これでいいし、
絵がヘタで、人体の書き方がおかしくても、
「心の中」が大切だから・・・そんなの、気にならない。

でも、ヒストリエという漫画は、そういう書き方の延長線で、
アクションも合戦も書く。

こういうのは、本当にうまくて、うまいやつが時間かけて書かないと、
書けない画面だよ。奥行きもちゃんとあるし、パースがちゃんとしてる。

同じ題材で、安彦良和が、「アレクサンドロス」つう
書き下ろし単行本を書いていて、
まあ、そっちは単行本1冊だけの、ダイジェスト歴史劇だから・・・
しょうがないとも言えるけれど、

「ヒストリテ」と比較すると、
安彦良和は「華麗」で、やっぱりうまいんだけど、
「テキトーにごまかしてる」から、画面に奥行きや広がりがなくて、
「世界」を画面から、あんまり感じないんだ。

この差はなんなんだろう・・・と、考えて思うのは、
「やっぱり、岩明均がうまいんだ」つうことです。

「無限の住人」の先生みたいなハイパーアクション、ハイパーカメラは
最近は蔓延しすぎて、「もういいよ」な感じもあり、
僕としては、「ヒストリエの画面」を断然、支持したいですね。

人物の表情の付け方も、かなりこまかいです。
昔なら、「効果バック」とか「まわりの自然物に代弁させる(石森式)」
で、「感じさせたような、微妙なニュアンス」を、
人物の表情の変化だけで、表現してしまおうとしている。

それだけの実力があって、また、自分の絵に自信というか、確信がないと、
普通は「やろうとは思わない」類いのものなんじゃないの。

簡単に言うと、
ヘタクソほど「画面が黒くないと」で、いろいろ書き込んじゃうだろ?

でも、この先生の漫画って、白いだろ? クロベタはあるけど、
トーンなんかほとんど貼ってない。

「いらないよ、そんなの。なくてもちゃんと伝わるはず」って
確信してるんだね。

で、編集も、ちゃんとそれを理解してる。
読者も、ちゃんと伝わって来るから、「これでよい」だし。

ちょっと、違うかもしれんけど、
上村一夫のうまさに通ずる「ナンカ」があるような気もする。

「画力」ってのが、「伝えたいなにかを、どれだけ正確に、
効率的に伝えるかの・・・絵の力」だとするのなら、
この漫画家は、相当なもんじゃないの?

メビウスみたいに「独特な描線だ」とか、
上村一夫のように「日本画以上に筆が達筆」とか、
桑田次郎のように「機械が書いたような正確で流れるような描線」みたいな
「わかりやすい華」がないだけだと思うけどな。

アメコミの世界でもそうなんだけど、
本当にうまいやつは「いつでも地味」なんだよ。「一見、良くは見えない」

わかりやすい華があるのはウケるけど、たいていはメッキ・・・
なんかそんな感じがする。

(ちなみに、僕はメッキの部類に属してます。質の良くないメッキ)
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うおりゃー  2009年08月19日 21:13

>Iさん

ヘウレーカも読みましたよ。
あれも面白い。

あれだけ、ゆったりした大ゴマで、テンポも「間」を重視してるのに、
1冊読んだだけで、かなりの充足感がありました。
こういうのは、かなり、「凄い事」なんですね。
「単行本1冊で完結していて、かなり面白い」というものは
そんなに多くないと思います。
たいていは、どこか「とっちらかった」ものになってるハズ。

「ヘウレーカ」でも...見せ方・・・省略法がうまいですね。
こういうの、真似できたら、いいのになあ。

とにもかくにも。

まず、なによりも「お話」がちゃんとしてて、面白いね。
ガッチリした起承転結がある話は、何にも勝りますね。
もとになったお話の面白さが、最大限に生かされてるような気がしました。

キャラクターも、この作者の漫画の「いつものパターン」ですが、
こなれてるだけに、文句の付けようがないかんじ。

ただ、このヒトの漫画って、主人公は必ず、
恋人と死別するとか・・・悲しい別れをするようになってるね。
必ず、ムゴイことになる。たぶん、作者の好みなんだろうな。
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Hさん 2009年08月19日 23:00

まあうまいうまくないってのは人それぞれ基準が違うのかもしれませんが、、、。

雑誌連載のとき、たいへんなとこは下描きでのってるんですが、
軍隊の行進のシーンで一番遠い人間まで細かくきっちり下描きが入ってて、
普通この辺はアタリで描いといて、ペン入れでちゃんと描くのに、
すげえまじめだなあと思ったです。

まあ雑誌に載せるんできちんと描いておいたって部分もあるかもしれませんが、
建物なんかはさらっと描いてるんで、
たぶん物語上で絵にこだわる必要がある場合、
資料をきっちり読んで、パースや画角も理詰めで練りに練って、
正確に描くタイプなんじゃないかと思ったです。
自分はこの辺を感覚でささっと描いちゃう人
(個人的には上村一夫や少女漫画もこっちかな)をうまいと評価するので、
そのタイプではないなあと。

この人の場合、まず物語ありきで、
絵とかキャラみたいな部分は必要に応じて左脳的努力でこなしていくというか。
もちろん舞台が要求する水準は高いわけですから、それに見合った絵を作るのはたいへんで、
そこまでやれるというのは凄いと思うし、
その結果表現された絵をうまいとする評価もあるとは思います。
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うおりゃー  2009年08月20日 10:37

ああ、
「達者な絵」「感覚的にホレボレするような絵」を「うまい!」って
思うってことですね。
まあ、そういうのが一般的に「うまい」ってことなのかもしれない。

でも、漫画の場合、「達者な絵」だけが目立っちゃって、
お話がボロボロだったり、
「絵が達者なことが、なんか役に立っているのかな?
かえって、この漫画の足カセになってるような気がするぞ!」
というコトも、わりとあって、

そういうのを読むと「どんなに達者でも、馬鹿じゃダメなんだな」とか
思っちゃって、
「達者な絵」だけを褒めてもしょうがない・・・とか
思うようになりました。

漫画は、「ストーリーとキャラクターと絵の
3つのバランスが取れているとき、一番面白いんだ」が、僕の持論で、
そのへんから判断すると、岩明漫画はかなりグレードが高い。

まあ、僕だって、「絵の魅力」だけを切り取って
「いいね! 最高!」とか、評価するときもあるんだけどさ。

漫画の場合「絵とお話」は、「分けて見ない」ほうが良いような気がします。


とにかく「達者な絵」とか・・・

そういうんじゃないね。岩明先生は。ギコチナサがあるもん。
とにかく凄いのは、「くそ真面目な努力の積み重ね」なのかもしれません。

マケドニアの長槍部隊なんか、気が遠くなりそうでした。
こんなの一列だけ書いて、あとはコピペですませたい!

それから・・・
「手」の書き方は、異様にこだわってて、なんかそういうのも気になる。
顔を書くより、手をかくのが好きみたいですね。

さすがミギーのクリエイター。
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by uorya_0hashi | 2010-08-15 12:03 | 漫画関連

のだめ22巻とハガレン23巻

両方とも最新刊。(2009年8月当時)
買った、読んだ、まあ満足した。

のだめ・・・あいかわらず、面白い・・けど、
前の巻の「つづき」で「決着戦」で、
「つぎにつながる前フリ」「足踏み状態」だから、
「まあ、こんなもんかな」と言う感じ。

お話のフロシキをたたむ段階だから、しょうがないね。

おかしいのは、
「のだめがいなくなった! どこに行った?」ってんで、
千秋が、知り合いに電話かけまくるシーン。

その「電話相手」一人ごとに1ページ4コマ使い、
最初のコマが大ゴマで
「電話相手」がドアップで登場。「なに〜! のだめがいなくなったあ!?」

つぎの2コマ3コマめが2段目で・・・縦長のコマで
2コマめがミディアムショット。どこにいるのか?とか状況を見せて、
「どこ行ったかなんてしらないぞお」という「答え」が紹介。

3コマめで、また「電話相手」もしくは「同席してるヒト」のアップになり、
「どこに行ったのかな?」とか「なんでいなくなったの?」とかいう
『転』「展開部」。

4コマめが3段目で、横長の平べったいコマになり、
「オチ」「ギャグ」となる。

よーするに、「尋ね人の電話」をネタにした、
キャラクター系の4コマ漫画になってんの。
起承転結がちゃんとある古いタイプの4コマ漫画。

それを延々と繰り返す。
この作者、同じパターンの繰り返しが好きなんだね。前からそうだったけど。
さすが、お笑いが得意だった漫画家。
手抜きを味にする。

気をつけて見てると。
最初が大ゴマの「顔のドアップ」。2コマめミディムショット。
3コマめ顔のアップ。4コマめ小さいコマで「ちょっとしたオチ」
というパターンが、他のシーンにもやたらに多い。
リズムをつくるパターンなのか、それともパターンじたいがギャグなのか。

ハガレンの感想は・・・この日記、長くなったから、また今度。

(この日記は2009年8月27日に書いたものです)

どっちの漫画も見事にキチンと終わりましたね。
(ハガレンの最終回はまだ読んでないですが)

長期連載漫画が「きちんとした形で終わらない」のが、当たり前だったのが、
ここ20年くらいの「常識」でした。

で、多くの漫画ファンは、だんだんシラケて、漫画から離れちゃったのですが、
その反省からか、編集部も昔のように「ムリヤリ続けさせて、作品も漫画家もぶっ壊す」
という乱暴な事をやらなくなったみたいですね。
とてもいいことだと思います。

「のだめ」なんかは、主人公の話をキチンと一段落させて、そこで「おしまい」として、
「主人公以外の気になるキャラクターの話」を「外伝」みたいに書いていて、
ああいうやりかたが、
「作品としての漫画」を大切にしつつ(ちゃんと終わらせるということ)、
「キャラクター人気にもちゃんと答える」(終わらさないで・・・という読者の要求に答える)
ということにも配慮した、すごく頭のいいやりかただと思いました。

ああいうやり方なら、母体の雑誌がピンチになったとき、
先生にお願いして「のだめナントカ編 短期集中連載!」とか
「伝家の宝刀」みたいに、ひっぱりだせますもんね。

のだめの担当編集って、天才なんじゃないかと思います。
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by uorya_0hashi | 2010-08-15 11:01 | 漫画関連

壬生義士伝

ながやす巧の劇画版。
講談社版コミックスのほうの1巻を
カミサンが買って来たので、読んでみた。

あいかわらず、凄い絵。
着物を着た武士の「腹の厚み」なんてのは、すごい。
平田先生の絵に匹敵する。

背景も物凄い。
まちがいなく現代の漫画界の最高峰。

ただ、自分は・・・原作も映画も見ていないので・・・。
「なんだかなあ」と思う部分もあった。

1巻は、あくまでも「お話の出だし」なんですね。

主人公が、剣法の達人で、勉強もできて、人間性も立派なのに、
「なぜか、異様にお金に汚い」というのが、
登場人物の「セリフだけ」で表現されてて。

「お金にどれだけ汚いか」は、一切、具体的に書かれてない。
たぶん、2巻以降で、描かれるのでしょうね。

そんな感じなので・・・・
「そんなに立派そうな剣の達人が、異様に守銭奴になったのはナゼか?」
という、謎掛けの回答なんてのは、まだまだ先のようだ。
たぶん「話のオチ」で明らかになるのでしょう。

そういうふうに、予想はできるけれども、とにかく、「展開が悠長すぎ」る。

単行本1巻つかって、「謎掛け」の「謎」を提示するとこまで行ってない。

「なんとか殺人事件」という本格推理モノなのに、単行本1巻使って、
場面設定と登場人物紹介はすませたものの、それだけで終わっちゃってて、
「まだ殺人事件は起きていない」・・・
というのと、似ているくらいの悠長さ。

絵も凄いし、語り口も見事なので、つまんなくはないし、
「この後もつきあって読んでみたい」とは思うものの、
この「制作ペース」は問題あるよな。やっぱり。

最近の連載漫画は、多くがこういう「異様に悠長なペース」なんですが、
自分なんかは、こういうペースにはなかなか慣れません。

たぶん、このお話・・・単行本5〜6巻使って終わるんでしょうが、
少しずつ連載して、たぶん3年くらいかかるんじゃないのか。

そんなの、困る!

こうなると、やっぱり・・・・
「連載時は、見ないように我慢していて、新刊も買わないで、
単行本がたくさん出てから、ブックオフでまとめて買って、
イッキに面白く読む」というやりかたのほうが、
読者の精神衛生上、納得できるというもの。
お金もかからないしな。(作者と版元は困るだろうけど)

しょうがないよな。「作品のペース」が
「そういうふうにしろ」と、しむけておるのだから。
先が気になるのに、先がわかるのが3年後・・・なんてのは、
どうかしてると言わざるをえない。

そうだ。

小説はともかく、「映画」なら、録画したきり、まだ見てない・・・
というテープがあるので、今度見てみよう。
先が気になるじゃないか。



だいたい、こういう「悠長な大河連載」って・・・
たいてい、「連載がちゃんと終わる前」に「雑誌がつぶれたり」、
いろいろ起こるんだよな。

ああ、そうか、この漫画自体、
「コミックチャージ」がつぶれて、
「別冊少年マガジン」に移って来たのでしたね。そういえば、そうだった。

しかし。
モタモタやってると、「別冊少年マガジン」もつぶれるんじゃないの。
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by uorya_0hashi | 2010-08-15 10:53 | 漫画関連

ドロヘドロ

の単行本が
ブクオフによく似た古本屋で
一冊150円だったので、こないだ買いました。

これ、人気あるからか、800数十円の単行本なのに、
古本で500円とかすんのよ。
「そんな高い古本はやだ」つうことで、安いの探してたの。
つくづくビンボーなのだ。

で、1巻〜7巻と10巻が買えました。
で、最近、仕事の合間に読んでましたが。

面白いっすね。
変な漫画。

世界観が、「汚らしい系のヘヴィメタ」だから、もちろん好みなんですが、
残酷でグログロなことやってるわりには、
晴れやかな風合い。キャラもひょうきんで、
出てくる男女間に妙にプラトニックなテレがある。
画面見ただけだと、行き着くとこまで言った最悪というか、
猛毒めいた極悪非道・・・という印象があるくせに、
読んでみるとコメディみたいな印象を持つ。

バンバン、人の生首が飛ぶのに、コメディみたいな印象というのは、
一種「悪い冗談」で、漫画の成り立ちがそもそも「悪趣味」。
たいへんに自分好み。困るじゃないか。

主人公のトカゲ男カイマンは、「記憶喪失」みたいなトコがあり、
自分に魔法をかけた魔法使いが誰なのか、自分が元に戻れるのか、
自分は何ものなのか・・・それを解き明かすという
「一大目的」はちゃんとあるんですが
(編集部がたぶんおっつけたんだろうな)、

そんなに「必死に目的めざしてまっしぐら」なトコはなく、
しょっちゅう横道に外れて、野球やったり、ボクシングやったりする。
わりとのんきに生活を満喫していて、記憶が無くて困るというのもないし、
読んでる方は「別にトカゲ男のままでもいいじゃん」とか思える。

同じような化け物が、当たり前のように歩いてる世界なんだし。
トカゲ男は、自分の顔、気にして、マスクで隠してるんですが、
そのマスクのほうが異様のように見えるし。
だいたい、マスク外した素顔のトカゲ顔みても、
誰もそんなに驚かないもんな。
トカゲだと、不便だとか、そういうのもなさそうだし。カッコイイじゃん。
「いいよ、そのままで」とか思う。

ハガレンだと、「弟の身体を取り戻す」とかいう、
「目的が自分のためじゃない」から、泣きとか、悲壮感が出るけど。
「自分のため」だと、あんまり話が盛り上がらないのよね。漫画って。
不思議ですなあ。

まあ、目的がどうとかいうのは、話の「推進力」というか「燃料」
みたいなもんで、それじたいに「うまみ」「面白さ」が
あるわけじゃないから、そんなに重要でもない・・・とも言えますし。

とにかく、この漫画は、
「異様な世界観」を味わう為のファンタジーなんでしょうね。
で、混沌とした世界観が少しずつ「わかっていく」のが眼目なんだ。
編集者もそう思って、そのように、漫画を定義して、売ってるみたいだし。

面白いから、別に・・・このままでいいけど、

敵と味方だったはずなのに、いつの間にか和気あいあいとしてたり、
キャラクターが全員どこかのんきで、忘れっぽいので、
何度も殺し合ってるのに、仲良くなっちゃったり。

そんなんでいいのか・・・・
とか、ツッコミたくなるね。
同好会か、クラブ活動のようなノリもあるな。

とにかく、ダラダラと、どこまでも続きそうな漫画。

ヘンな漫画だなあ・・・と、思ってたら、作者は女性とかで、
ああ、そうなのか・・・と、妙に納得。

全体が収斂して行く感じはなくて、拡散して、
すべてのキャラが百花撩乱になる印象がある。
それと・・・出てくる女キャラが、みんな強いんだもん。

女性キャラが平気でオッパイ放り出してますが、
セックスそのものとか、
極悪な世界にピッタリ来る感じのレイプもない。
影も形もないのが、不自然な感じすらする。
人殺しは日常茶飯事なのに、キッスは「特別な事」だとか、
殺し屋が、好きな女のオッパイみてドギマギするとか。
なんか妙だぞ。

そこらへんが女性作家だということか。
「陰惨」にならないから、そのほうがいいけどさ。

ちなみに、個人的には、出てくるキャラの中で一番でかい、
筋肉ムキムキの金髪美女・・・・「能井」ってのが、
すごく気に入りました。これはイイですなあ。

主人公カイマンは、どうでもいいなあ。なんか悪いような気がするけど。

続きは古本では、当分、ゲットできそうもないので、
しょうがないから、新刊で買う事にします。

たしかに面白い。
ただ、この漫画、「月刊」で読んでも、
一月分では、全然話が進まないし、
そんなにハラハラドキドキひっぱるような展開でもないから、
雑誌で読んでも、イマイチなんだろうなあ。

あわてなくていいけど、「ちゃんと終わる」ようにしてくれれば、
それで充分かな。

絵は凄いね。文句ないよ。あっぱれ!
日本の漫画もここまで来たか・・・つう感じ。
女の漫画家にすげえのがたくさんいるよね。最近は・・・。
いやはや。

(2009年4月16日に某SNSで書いた文章です)

ドロヘドロも、そろそろ「終わり」に近くなってきました。
あいかわらず、面白くて、続刊が楽しみです!
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by uorya_0hashi | 2010-08-09 13:38 | 漫画関連

音楽漫画

ここんとこ、
「のだめカンターヴィレ」と「マエストロ」を
立て続けに読みました。

「のだめ」は最初のほうを105円で買って、読んでみたら、
かなり面白いので、止まらなくなり、結局最新刊まで読んだ。
こりゃ、ヒットするわ。

22巻で終わりらしくて、
20巻前後から、お話が収斂していくんですが、
いいですね!
いろんな伏線が、「ああこういうことだったのか」で
まとまっていく。ストーリーテラーだなあ。

最初のほうだと、完全に「千秋先輩」が主人公で、
「のだめ」はオマケみたいなもので、何考えてるかわかんない。
だから感情移入しにくいんですが、
決して「イヤな感じ」には描いてない。

で、中盤あたりで、「のだめ」の謎がだんだん明らかになり、
後半になると、主人公が切り替わって、「のだめ」の話になる。
これ、結局、「千秋先輩」は「最高の理解者」で「最高の引き立て役」
なんだろうなあ。

でも、漫画の面白みの大部分は、ワキ役たちのアンサンブルで、
ノリのいいコメディの部分なんでしょう。
「そう言う部分」に笑って、読む進むと、
「ハーモニーが一番奇跡的なことなんだ」みたいな
大きな主題が見えてくる。
(もっと、いろいろ「言いたい事」はある漫画だろうけれど)
うまい構造のお話だなあ。すごいね。

この主題で、もっとマジメにやっちゃうと、
重く暗くなるから、このくらいノリのよいコメディのほうがいいね。
「大きいテーマ」を漫才みたいなノリで、緩急付けて書くのは、
すごい手腕だと思う。手塚治虫みたいだ。
コレ、マネできたら、たいしたもんだね。
いちばん、ストーリー漫画として「オイシイ構造」だと思う。

この作者の前作の「GREEN」てえのも、2巻3巻だけ読んだけど、
キャラクター設定はよく似てて、
「のだめのひな形」みたいな感じもして、これも面白い。
絵は、「のだめ」ほどメジャー性がないけど。
だから4巻で終わっちゃったんだろうな。でも、悪くない。

さそうあきらの「マエストロ」も、
オーケストラの話で、これも面白い。
一編一編が、きちんとまとまった短編で、すごく丁寧なお話。
一本一本の完成度が異様に高い。
で、まとめて読むと、「なんか」が見えてくるという仕組み。
2巻までしか読んでなくて、その先がどうなってんのか知らないけど。

地味な題材を地味なまんま、小さい宝石みたいに描いてある。
掲載が「ウェブマガジン」のみで、しかも「月イチ」だから、
熱心なファンしか読まないだろうし。

同時期に、似たようなモチーフの「のだめ」が大ヒットして、
ワリくったようなトコもあるだろうなあ。
でも、面白い。

絵も、アシスタントあまり使わないで描いてるんじゃないか。
デジタル処理の試行錯誤はあるけど、
背景とか、生活感に気を配った画面で、
人物と合わせると・・・・つげ義春とかにつながるような、
むかしのガロっぽい、劇画みたいな画面になってきた。

ついでに、ハロルド作石の「BECK」の25巻あたりから、ケツまで・・・も
入手したので読んでみた。
こっちも面白い。けれど、お話の最初のほうほどじゃない。
バンドが成功するのは、読んでる方としては、もう「間違いない」なので、
どうやって「気持ちよくまとめるか」ってだけになってて、
結果、「気持ちよくまとまってて、ああよかった」って感じでした。

34巻も続けて、ちゃんと終わらせたんだから、
とにかく凄いよ。

湯水のごとくページと人的労力を使う「大画面の映画」みたいな画面で、
さそうあきらの漫画の「180°逆」みたいな画面だけどね。
豪華な漫画だよなあ。

漫画は音が出ないから、音楽漫画なんかダメ・・・みたいな話は
大昔で、音楽漫画って、たくさんあるんですね。

(2009年5月4日に某SNSで書いた文章です)

「のだめ」も「マエストロ」も世間からは遅れまくってハマった漫画でした。
「のだめ」は最終回までになんとか間に合ってファンになったという感じ。
2つ並べて感想書いたのは、比較するつもりではなくて、単に「たまたま」です。
どっちも宝物みたいな傑作漫画ですね。
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by uorya_0hashi | 2010-08-09 13:35 | 漫画関連

もやしもん

子供が、古本で買って来てたので、
読み出したら、仕事しないで、7巻まで読んでしまいました。

なかなか「濃い」漫画で、読むのに、時間がかかるなあ。
ネームも多いんだけど。

大学生活特有の楽しさを書いた漫画で、
なんとなく「げんしけん」に近い面白さがある。

主人公が「受け身」で、
「なにも考えてない」が「可能性だけはありそう」。
個性がはっきりしない。

で、ワキ役の個性がクッキリハッキリしてる。
キツイ姉ちゃんとか、酔っぱらって暴れる・・・女湯覗くとか、
頼りないように見えて、事あらば、頼りがいのある「先輩」とか、
「俺は知らないヨ。勝手にやれ」とか言ってて、結局、一丸となって・・・
とかいうようなところもよく似てる。
真似した・・・とかいうより、こういうものの「定番」の構造なんだろう。
学園ライフものの、定石を押さえたニクイ漫画。

で、それに、
「菌がキャラクターになって見える」という新趣向と、
発酵だの醸造だのという、菌にからんだ「ウンチク」を
楽しく教える学習漫画の要素が絡んでいる。

7巻まで読んで、
主人公がいまだ「無目的」で、
まわりに振り回されていて、しかもそれを満喫してるようで・・・
こういうのも珍しいんじゃないか。

現代的な若者像と言えるけど、7巻まで続いて、そのまま・・・という
漫画もあんまりないと思う。
目的とか目標がないと、漫画は続けるのが難しいんだけどな。
それでも面白いんだから、他の部分が凄くイイってことなんだろう。

「菌が見える」という、主人公の特殊能力も、
お話の上では、さほど重要でもなんでもない・・・という所も・・・
あんまり普通じゃない。

「霊が見える」というのが主人公なら、「悪霊払い」とか
そんな話になるのが普通だろうけど、
この漫画だと、「菌が見える」からと言っても。
全然そういうふうになっていかない。ユニークですね。

それより、くりかえし出てくるのは、
「常軌を逸したような話」でも、あっさり「戯言だ、デタラメだ」と
決めつけず、真面目に聞いて、
本当の事言ってるようなら・・・あるいは、それが友達の言葉ならば、
あっさりソレを受け入れよう・・・信じよう・・・
そうしたものには、必ず良い事がおこる・・・
みたいな展開。

・・・パスツールとかメンデルとかウェゲナーとか、
新発見したヒトとの伝記を思い出すような話が出てくる。
なんで、こういう展開が多いのか、よくわかんない。作者の好みなのか。

作者の好みと言えば・・・・
ボンデージ着てる女の先輩とか、
ゴスロリの女装してる美青年の友達とか、
作者の趣味で出してるだけだろうけど、フェチ的書き込みがなかなか凄い。
でも、全然「本筋に関係なく」て、そこがギャグにすら感じる。
作者は、間違いなく変態(良い意味で)。

ゴスロリの女装する友達なんか、ソックリさんが2人も出て来て、
それになんか意味あんのか? とかいうと、まるでなさそうだし。

農大祭りの不思議なイベント(ゲーム?)も、
ネタがなくて、適当に始めた・・・みたいな「意味の無さ」。

「水戸黄門」のチームか、「スタトレ」のクルーみたいな・・・
完成されたアンサンブル(人間関係)の、ゼミの仲間が、
「今回は学祭に挑戦します」
「つぎはフランスに行き、ワイン工場で人助け!」
「今回は醤油作りに挑戦だ!」みたいな・・・・・

連続短編ドラマ形式みたいな、
わりと、しょうもない・・・ゆるい構造の漫画。

話のほうは、作者と担当でヒーヒー言いながら、
ひねり出しているんだろうな・・・とか、そんなふうに思いました。
「つぎ、どうしましょうか〜?」
「う〜ん。学祭がいいんでないの? 学校に泊まるのやりたいね」
「終わらない学祭ですね」「そうそう。あれやろう」
「なんか、変わったのじゃないとつまんないな」
「大学全部使った鬼ごっことか、騎馬戦みたいなものはどうかなあ」
こんな感じで、「ひねくり出した」ような雰囲気がある。

絵もすごいし、異様に真摯に取り組んで書かれた漫画で、面白いし、
すごく好みなんだけど、
「なにが言いたいか」「なにが書きたいのか」みたいな面で言うと、
実は何もないんじゃないか。
ギャグ漫画のように、中味は空辣な感じがする。

絵は「楽しんで書いてる」という絵で、すごい。
かなり個性的な感じかな。現代漫画としては。
特に書き込みが、いろんな部分で、前時代的なハンドメイド。
銅版画みたいな書き方してて、水木しげるの背景みたいなもの結構ある。

こんなのアシスタントが描けるのだろうか。
つうか、こんな書き方する意味なんか、ほとんどない。
が、そこがいいんですね。フェチズムなんだ。書きたくて書いているだけ。

でも、連載なのに、こんなんじゃ、手がかかりすぎるから・・・

ラクガキみたいな「菌」がたくさん出てくると、
作者はそこで「息抜き」みたいな感じになって、
ちょうどいいのかもしれない。

ウンチク話の展開時は、読者も、文字読む方に頭使うから、
ラクガキみたいな絵のほうが、眺めるのがラクで
バランスとれていいのかもしれません。

面白いし、続きも気になるけど、

問題点は・・・・
この「ペース」で、どこまで続くんだろうか? つうこと。

たぶん「ゴールなんかない」漫画だろうし、
延々とやんのかなー?

(この記事は2009年5月5日に書きました)

漫画は雑誌ではほとんど読まないし、
ここ数年は、家計が火の車なため、残念ながら「古本で買って読む」ことが多く、
「ブーム」から平気で1〜2年、下手したら数年遅れて、初めて読む場合が多いです。

で、世間の流れにはおかまいなく、好き勝手なことを書くのが、自分の日記なんですね。

すみません。
「もやしもん」のその後の続刊は、ちゃんと定価で買ってます。
がんばれ! 石川先生。
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by uorya_0hashi | 2010-08-09 13:28 | 漫画関連

読んだ漫画の感想

「大阪ハムレット」

3巻まで読みました。
「面白い」との評判で、カミサンが買って来てたんです。

たしかに面白いわ。
コテコテの人間関係がうずまく大阪の下町。
そこの「決して美しくない人間模様」を切り取ってみせる漫画。

なんでかしらんが、「深夜食堂」をちらりと思い出した。
作品のテイストやテクニックは違うのに。
読み切り短編で完成度高いというのと、
人間の「しぐさ」を上手に、面白くかくのがうまくて、
そういうとこが似てるからかな。

あと、「生活感」「息づかい」みたいなのを醸し出す、
小さな、「余計な描写」の出し方がうまい。
こういう淡白で、しかも線自体にはあんまり色気のない絵で、
書き込んでもいないのに、「生活感」が出るというのが、
「大人だな」「名人だな」というかんじで、感心する。
こういうところは学びたいです。

ほとんど全部が「家族の話」で、
「困った親と、悩める子供」みたいなのが特に多い。
全部が「家族の話」というのも、いまどき珍しいね。
「家族の話だけはスルー」みたいな漫画がやたらに多いのになあ。
関西弁が、また、すごく、主題に合うんだね。

美人の顔が、みんな河童みたいだし、
男の顔は、全員犯罪者みたいなので、
慣れるまで違和感ありますが、すぐに慣れます。この絵がいいんだ。

かなり、「高級な漫画だな」「すごいわ」と、思いました。
構成力もすごい。無駄がないし。ケチつけるとこなんか、ない。

「大阪ハムレット」という題は、ほとんど意味ないんだけど、
語感がよくて、名題ですね。

「魔剣X」林田球

ゲームのコミカライズ。で、漫画の出来があんまり良くないため、
ゲームのことを知らないと、なんだかよくわかんないとこが
たくさんある、ちょっとシンドイ漫画。

終わりの方は、「打ち切り決定」のためだと思うけど、
恐ろしいくらいの駆け足で、理解しろというのが無理な感じ。

ただ、「ドロヘドロ」のひな形になったような描写が興味深いですね。

主人公が、昔のこと忘れてて、話が進むといろいろ思い出す・・・
なんて大筋が、そのまんまだし。
人間の内面に入ってくと、洞窟だか迷路だかになってるとか。
くりかえし出てくる、過去の悲惨な出来事の断片的な記憶(悪夢)だとか、
同じです。

絵も、この時点(10年前)で、かなり凄い。
イマジネーションが凄いです。グロも凄いけど。
でも、「わかりやすさ」は全然足りず、
読んでてケツマヅクところがいっぱいある。

そこらへんが、経験不足というか「若書き」だったのでしょう。

キャラクターのやりとりに魅力がないのと、
「モノローグ」がやたらに多いため、
お経読んでるような、しんどくなってくる感じもあります。

ドロヘドロは会話が面白いので、そういうとこが、全然違う。

ただ、
ゲームを漫画にしろ・・・・という時点で、
「難しいことをやれ」ってことだから、読んでて、
作者には、いろいろ、同情する。

キャラクターなんかも多すぎて、漫画にしにくいだろうに、
わりと忠実に、「なんとかしよう」と頑張ってて、
省略しないで、多人数をそのまま出しちゃうから・・・
その結果、「なんだかわかんない」となってる・・・みたいで、痛々しい。

「ゲーム漫画だからなあ」と、割り引いて読めば、
かなり頑張ってる・・・・と、言えるのかもしれない。

そうだ! いま気づいたんだけど。
徳南 晴一郎の壊れた漫画に似てるんだ。いろいろと。
普通の漫画だと思っててはイケナイのかもしれない。

(某SNSで2009年5月11日書いた記事です)

徳南先生は2009年12月24日に亡くなられたそうです。
ご冥福をお祈りします。
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by uorya_0hashi | 2010-08-09 13:18 | 漫画関連

凶暴乱舞

渡海(ドヘ)という韓国の劇画家のコミックス。
こないだ105円で買いました。

で、読んでみた。

すんげえ、うまい絵!
世界に通用するうまさ。
「無限の住人」の絵と、宮谷一彦混ぜたような絵。

でも、激しすぎるアクションの、絵はとびきりうまいのに。
「コマはこび」というか「見せ方」が
いまいち、ひとりよがりというか・・・

1コマ1コマ、カメラの位置を思い切り動かして・・・
簡単に言うと、カメラぶんまわして、ハッタリ効かせたようなアクション・・
ツイ・ハークの「刀」みたいな画面で、
かなりわかりづらく、読んでて、そこらじゅうでけつまづく。

ワルモンが左にいるなら、ズッとワルモンは右向いてて、
ヒーローは必ず左向き・・・とか、
全部が全部そうじゃないにせよ、基本はそういうふうに書くとか
すれば、わかりやすいんだけど、
おかまいなしだから、しょっちゅう・・・「誰だっけ? こいつ」
とか、なる。

アメコミみたいに、派手な色でキャラの差別化をするとか、
出来ればいいんだけど、一色の、しかも書き込んで
ドス黒くなった画面だから、よくわかんない。

でも、全然わかんないということはなくて、
よく読めば、ちゃんとわかりますが。
そこらへんは、ちゃんとプロ。アマチュアとは違う。
ギリギリで踏みとどまってる。

と、いうわけで、真面目に読んで・・・・

あきれたのが、全然、話が進まない・・・
というか、300ページくらい使って、
話が始まってない。なんか凄そうだな・・・と期待させて、そこで終わり。

登場人物たちが、どのくらい、凄い武芸者か?
と、いうのを、何百人も人を殺す事で、
しらしめして、読者を圧倒させ、
「さあ、これから!」で終わってる。

「掲載してた韓国の雑誌がつぶれた」んだって。
巻末に、事情説明がかいてある。ガックリ。

しかし・・・
たとえ、掲載が続いても、このペース、この密度で、
ちゃんと漫画が続いて、ちゃんと終わるのかなあ?
そんなことはない・・・と断言したいような、すごい画面。
こんなに書いて、どうする?

後先考えずに。好きなようにガンガンやりました・・・
ということでは、たしかに男らしい漫画。

この劇画家さん、現在は、夢枕獏の「大帝の剣」を劇画にしてる
らしい。まだ、見た事ないんだけど。

「無限の住人」やら「ベルセルク」やら、
絵が物凄いけど、いつ終わるのかわかんない・・・
だいたい、俺、どこまで単行本持ってるんだっけか?
ああ、間違ってダブっちゃったよ。かんべんしてくれ。
読んでみたら、あれえ? ちがう人間が主人公になってる。なんでだよ!
ちょっと待て。この前はどういう話だったんだっけか? 忘れてる・・・

・・・とかいう漫画がたくさんありますが、

このドヘ先生も、間違いなく、そういう系統の・・・
さらにパワーアップした感じの人。

「大帝の剣」は、原作あるんだから、なんとかなるだろうけど・・・
なんとかなるのかなあ。
まあ、読んでみないと。読んでみたいですね。

(この記事は某SNSで2009年5月14日に書いたものです)
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by uorya_0hashi | 2010-08-09 13:12 | 漫画関連