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恵まれた人と壊れた人

下の記事に
ベドラザさんという方がコメントつけてくれました。

で、それについてのレスなのですが、
長くなるので、こっちに書きますね。

えーと。

漫画の編集部には・・・どこの雑誌でもそうですが
いろんな編集者がいます。

仕事熱心で、勉強熱心で、漫画が好きで、
編集部の中でも、高く評価され、
主流の派閥に属している人もいれば・・・。

そうとは言えない感じの人もいます。

漫画に対するセンスはあっても、
残念ながら、社内的にめぐまれない人もいれば、
「ジャリマンなんか、やりたくねえ!」と、豪語する人もいます。
漫画の指導が「行き当たりばったり」だったり、
「言ったことは、次から次へバンバン忘れる」人もいて、
言われたとおりになおしたのに、「なんでこうした!」とか
言う人も、少なくない。
担当した新人が、かたっぱしから
つぶれたり、鬱病になるという、凄い人もいます。


・・・・・たぶん、ベトラザさんには
才能があって、将来性も高いので、
「良い編集さん」が担当されているのでしょう。

良い編集さんは、漫画家にいらぬ心配をさせないよう
ダークサイドを見せないよう気づかってくれます。

「そうでない担当さん」に、お世話になってる人の中には
日々、苦しんで、頭が変になりそうになり、
「担当さん変わってくれないかな?」と、思っている人が
多いのですが、そんなこと許されるわけがない。
我慢して、がんばるだけですね。

こういう「漫画家にとっては、どうにもならないモノ」が
あるのは、理不尽だ・・・と、昔、

漫画家仲間にこぼしたことがあります。

すると、先輩の漫画家さんが言いました。

「ヘンな担当につくと、一生を棒にふる・・・そんなの常識だよ。
それが嫌なら、ちゃんとした漫画家のアシスタントを下積みして、
その先生に認めてもらい、マトモな編集者を紹介してもらわなくちゃあ。
いきなり、編集部に電話かけて、その相手が担当で・・・
その人がたまたま『イイ編集』で・・・めでたしめでたし。
そんなこと、あるわけねえだろ。
まあ、誰もが、一目みただけで『あっ!』というような凄い天才なら、
すぐ目先のきく編集が横取りして、担当になってくれるだろうけどよ!」
「まあ、困ったチャンに担当してもらうくらいなら、
他の版元に行ったほうがいいんじゃないの?」
「ちゃんとした先生のところで、苦しい修行をして、よい担当に面倒みてもらう。
これが一番大切なんだよ。」

ヘエ。そうだったのか。
知りませんでした。ありがとうございます。
・・・なんだよ。早く言ってくれよな。

漫画業界って、そんな「タテ社会」だったのか。
俺なんか、テキトーにやって、「要は面白きゃいいんだろ」ダケだったからなあ。
アシの経験も3晩しかないし。
ずっとわかんなかったよ!

と、いうわけで、ちょっと脱線しましたが、(ははは)
言いたいことは

「よい担当に恵まれた人」には、ちょっと理解しがたいようなことも、
「恵まれていない人」にはザラにあるんですよ。
そして、いろいろ見えてしまうのです。
信じてくれなくてもいいですが。

で・・・・僕は
「恵まれてない人」のことを、ちゃんと
書き残しておかないと、
ますます「恵まれない人」が増えてしまうのではないか?
と、思っているのです。

僕の知り合いに
自分は「恵まれていない人」なのに、その自覚がなく、
「必要以上に」自分をいじめて、壊れちゃった人が何人もいます。
が、多くの人は、「あいつらは才能がねえんだ」
そう、一言で片付けてしまう。

はたして、100パーセント、そうなのか?

漫画家を鬱病に追い込むようなシステムがそこにあるのではないか?
漫画家を「オリの中の羊」にマインドコントロールするような
「版元社員必携のマニュアル」があるんじゃないのか?
漫画家がダメになっても、次から次へ、志望者が現れるから
「使い潰し」で全然かまわないだけなんじゃないのか?

そんなふうにも思います。
なにが真実か、まだ、よくわかりませんが。

それと。

ベトラザさんは、まず、まちがいなく、将来性のある漫画家さん
でしょうから、(青木先生とかにお世話になってるみたいですし)
こんな「地染めの鉄槌」なんか読まないほうがいいです。

テキトーに面白おかしく書いてるところもあるのですから、
「これって誰だろう?」とか、考えることじたい、意味がない。
だいたい分かりやすくするため、何人かの人格をまぜて、
極端にしてます。実録ドラマが実録でないのと同じ。
だから、みんなフセ字なの。わかってチョ!

ねえ、ベトラザさん。
ちゃんとしたレールに乗っているのですから、
脇目をふらない方が良いですよ!
こんな「負け犬の鎮魂歌」を相手にしては駄目ですよお。

僕が、恐ろしい「編集者の大親分」に怒られてしまうではありませんか。
それだけは御勘弁。
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by uorya_0hashi | 2005-11-10 12:17 | 漫画関連

ある子供雑誌の新年会

ある子供雑誌の忘年会。
これは、たいてい、ほかの雑誌と合同で
大々的に、ホテルで立食パーティをやります。
それは豪華。すごいものです。

で、新年会は、
毎年、東京のはじっこの温泉が出るヘルスセンターでやります。
お風呂入って、大広間で宴会です。
3度ほど、行きました。もう5.6年前かな。

大広間に、120人くらいの宴席がもうけられ、
適当に座るのですが、どういうわけか、
20人くらいいる漫画家は、スミッコのほうに座ってます。
そこに座らされたということではないみたいなのですが、
ベテランの先生が、まずスミッコに座るので、
それを差し置いて真ん中に座る漫画家はいません。
編集の挨拶があって、宴会がはじまります。

大広間の舞台の真ん前や、宴席の前半分に座っているのは、
バンダイとかタカラとかオモチャメーカーのかたがた。
任天堂だのセガだのゲームメーカーのかたがた。お菓子のメーカー。
広告代理店のひと。アニメ会社。その他クライアント。テレビのひと。声優。
そういう方々です。
そういう方々が、一風呂あびて、浴衣に着替え、くつろいでおります。
名刺をとりかわし、「いやいや、なかなか大変です」とか
ビールをつぎあい、情報を一部交換して、親父くささ爆発の
「越後屋。そちもなかなかワルよのう」
「いやいや。御代官さまにはかないませんわ。がははは」
みたいな雰囲気をかもしだしております。

漫画家は、スミッコで漫画家同志で歓談。

でも、景気のいい人は、声もでかいですな。
「よお! ○○ちゃん。ベンツ買ったんだって?」
「いやですね。もう知ってるんですか? 買ったといっても、中古ですよ」
「ベンツはベンツだろ。すごいねえ。ナンジャラとかいうホビーのおかげだな」
「いやあ。ははは。まさか、あんなに当たるとは思いませんでした」
編集者A(主流)がわりこむ。
「いやあ、○○先生ががんばってくれてるからですよ!」
「うん。まあね。ウフフ。」タバコの煙りが口からフーッと。
「ねえ、Aさん。俺のやってるカンジャラのブームも落ち着いてきたし・・・。
そろそろ次の企画の話が出てるんでしょ。
今度ドータラとかいうオモチャが出るでしょ、あれをぜひ俺に・・・。」
「もちろん。編集部では、いろいろ考えておりますですよ! ウヒョ!」

そこから、ちょっと、「下座」では、景気のいい先生たちのアシスタントや
時々手伝うような新人漫画家がひそひそ話。
「俺、月曜から○○先生のとこ行くんだ。君、呼ばれてる?」
「ああ、行くよ。で、君さあ、ドータラの漫画、描けって言われてない?」
「言われたよ。編集のBさん(主流)から。たぶん、コンペをやるんでしょ」
「うーん。そろそろ僕も、漫画で一本立ちしたいし、今度のドータラの企画は
なんとかしたいなあ」「同じだよー」

横で聞いてるまた別の新人は「俺なんて、そんな話、降って来ないよ。
なんか描けっていうから、持ってくけど、もう7.8本ボツだよ。
前に載ってから、もう1年半たつよ」
「あー。俺もそう。もうさすがに疲れたよ。結局、企画ものしか
やらないんなら、なんか自由に書いて来い・・・とか言わなきゃいいのに」

そこにまた別の編集C(ただし反主流)がわりこむ。
「そんな根性のないこと言わないで。
ホビーの企画なんかより、漫画独自の展開(オリジナル)で読者を引き付けないと。
うちはあくまで漫画雑誌なんですから。がんばってくださいよ!」
「・・・・・・。はい。がんばります!」

いろんなこと言ってますが、漫画家も「なにかの企画もので一発あてたい。
いい企画降って来ないかな」と、思ってるだけに見えます。
おおざっぱに言えば。(俺もそうだったりしますが。ははは)

「いやいやいや〜! みなさんお待たせしました! 余興の時間です〜」
舞台に、田吾作な格好をした若手編集者あらわれる。
「まずは〜! ○ンダイのナンジャラ担当の△△さん〜!」
「えーっ! 俺が最初? そんなあ」
とか言いながら、カラオケだの腹踊りだのが始まります。

あんなの、「やれ!」と突然言われたら、やだなあー
と、思いましたが、杞憂です。
漫画家なんか、絶対、指名されません。

舞台に呼ばれるのは、真ん中と前のほうに座ってる
メーカーとか代理店の方々ばかり。
親父ワールドだけで盛り上がっております。
「へえ。セガの◇◇さんって、あんなくだけたとこあるんだね」
「おい、うちも負けるな! お前(部下)、もっとおもしろいことやれ!」
「がはははは!」「どはははは!」「ぶひゃひゃひゃ!」

漫画家は、ずっと、スミッコで貧乏臭いヒソヒソ話。
あるいは、狭い世界での自慢話をくりかえしております。

ああ。
そん時、思いました。そういう光景ながめてて、つくづく。

この雑誌、「漫画なんて」オマケなんだと。
新年会に漫画家呼ぶなよ!  メーカーとかだけでやれ。
貧乏な漫画家たちも、「ついでに」呼んで
「あやつらにも酒と飯をふるまってやれ」みたいな
扱いは、かえって問題あるだろ!
士農工商とか、思い出しましたな。
______________
以下つけくわえです。

この文章、なにが言いたいのか・・・って、言うと。

この雑誌の主役は、もう全然「漫画家じゃない」ってことです。
雑誌に「広告出してくれる会社のひとたち」が主役。
漫画家は、そういう人達から、降ってくる「企画」を
待ってるだけ・・・に、なってます。
それが、この「新年会」によく表れていたってこと。

世間のヒトは「漫画雑誌の主役は漫画家」くらいに思ってますが、
ぜんぜんそうじゃない。この子供雑誌では。そう見えました。
それは「大昔」の話なんで・・・。

持ち込みはじめたばっかりの新人漫画家のひとが
「児童漫画に対する熱い夢」とか「トキワ荘を夢見て」みたいな
話を、僕にしてくれることが最近あったのですが、その時は
「いやあ。その思いは大切だよね!」くらいしか言えなかった。

なんで、ああいう半端なことしか言えなかったかなあ・・・。
かえってマズかったかも。人生ムダにしちゃいかんなあ。
とか、思いまして、その子が読んで、
なんかヒントになれば・・・と思って、この文章を書きました。

どうも、言葉たらずで・・・そのせいで、
人に迷惑かけちゃいかんなあ。と、後で、反省して、
この文を、つけくわえます。
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by uorya_0hashi | 2005-11-08 11:56 | 漫画関連

ケータイ漫画/ウェブ漫画

仕事でケータイの漫画を書いてる。

でも、僕はケータイやめちゃったんで、自分で見られないし、
だからというわけでもないのだろうが、普通の人が、
ケータイで漫画なんか読むかなあ? と、思う。

でも、タダなら、読むかもしれない。

ウェブ漫画にも、タダで読めるサイトと、
お金払うところがあるが、
自分がケチなせいか、あるいは古本マニアのせいか
お金払って見たことない。

タダで読めるウェブ漫画は、よく読みます。


この人は、けっこう歳くってるな。
昔、同人誌とかやってたクチだろう・・・
ずっと書いてなかったけど、最近思い立って、気持ち復活!
というやつだな!
うむ。すごいSF漫画だが、こんなにたくさんネーム読みたくない。
このネーム、半分にしてくれたら、いいのに。
ウェブ漫画だと、字が多いのは、倍しんどいなあ。

こちらは、若いのに、珍しいやつだなあ。
こんなガロの漫画みたいなの書くなんて。
正確には「コミックばく」の漫画という感じなんだけど。
とにかく、いまどき珍しい。
たいていの若い人は「萌え」とか、あっち行っちゃうものだが。
あれ? これ、ちゃんと面白いなあ。すごいぞ。
ううむ。何冊も同人誌出しているのか、さもありなん。
ファンもけっこういるみたいだぞ。カルト作家なのね。
どんなやつなんだろ・・・?
ふうむ。おっ、なんだこいつ、古本屋の店員かあ。
どうりで若いくせに、古くさい。こいつの店、行きたいなあ。

うわ!
なに、この人。ものすごく上手いんですけど。
なんでプロじゃないんだろう?
へえ。ゲームの仕事してるのね。
本来なら漫画家になったようなひとが
けっこうゲームにいっちゃったんだよなあ。
ううむ。上手い。上手すぎる。上手すぎると、話にも
それに合わせたグレードを期待しちゃうからな・・・
だから、相対的に話が弱く感じちゃうところが弱点かも。
たいていこのタイプには、話つくりの上手い編集がついて
サポートするものなんだが。

ははは。なにこれ? 
はじめて書いたような稚拙さ。右手が左手になってる。
・・・・・あれ? これ、なかなかいいね。おもしろい。
なんだろう、独特の間があるね。・・・もしかしたら、天才かも。
・・・あああ。ダメだ。途中で終ってる。
最後まで読みたかったなあ。残念。


てな、感じで、
その気になれば、タダでもけっこう楽しめます。
勉強にもなるなあ。おおいに。
まあ、玉石混交なんですけど。当然の話。

昔は、通信費が高くて、そんなことをする気もおこらなかった
のですが、今はいいね。

商業誌で漫画を書こうと思えば、あたりまえですが
いろんな制約がある。そのかわり、お金もらえるけど。
同人誌作れば、自分で印刷費など出さなければならないし、
コミケ行ったり、いろいろ流通とか、販売を考えなきゃいけない。

「自由」に描けて、描くだけじゃなく、多くのひとにも見てもらえて、
経費もほとんどかからない・・・
こういうところがウェブ漫画の最大のメリット。

読ませて金取ろうと思ったら、いきなり
話が変わって、難しくなるのですが。
タダならねえ。
すばらしい。
純粋芸術活動。

自分はいちおうプロなので、
なかなかタダの仕事に時間はさけませんが、
前に描いた古い漫画なら、かまわないや・・・と
思ってますので、できるだけそうしていきたいと思います。

↓仕事でやったケ−タイの漫画「映画うわさ話」
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by uorya_0hashi | 2005-11-05 12:17 | 漫画関連