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ビッグビジネスと工場

前回の日記のつづき

そうそう。あれからイロイロ考えてて思ったんだけどさ。

現代では、大手版元、アニメ会社、オモチャ屋、広告代理店、レコード会社
テレビ局なんかがチームをくんで、
メディアミックスとかキャラクタービジネス
という、お金たくさんつっこんで、大儲けするための・・・
「ビッグビジネス」の「工場」「生産ライン」が完成してんだよね。

ここに、漫画家が、「素材」として、参入したいんなら、
作品も当人も、「工場が求める素材」にならないと、マズイ。
「長期連載に耐えうるような、クッキリハッキリしたキャラクター」。
「話なんか、都合でいくらでも変更するから、テーマなんかいらないよ」

「工場のルール」も守らなきゃいけない。「歯車」にならないといけない。
漫画も「アニメを作るときみたいな作法」「キャラのデザインが第一」
「イケメンだらけ」「影の原作者たくさん」とかじゃないとマズイ。

そういうのを当然と思わないと、
他の「歯車」とか「お金出してる人」に迷惑がかかるから。

必要以上に、「自分を出してわがままをいう」のはヨクナイ。

でも、こういう「工場」からは、「まあ、こんなもんだろ」とか
「ちゃんと考えてあるんだけどねえ」とか
「はっきりいって、つまんない」とかいうものが出てくる事が多いの。
「工業製品」だから。
作り手の個人的な想いとかが、生産物にこめられにくいから。

で、こういう「ビッグビジネスの工場」が、大手中心に
たくさん完成されていて、そこから垂れ流される製品(まんが)の
数がものすごくて、しかもアニメにもなってたりするから、目立って、
「漫画がつまんなくなった」っていう声に繋がってるような。

いっぽうで、「工場」なんてとんでもない・・・という
ケチくさくて、ミニマムでビンボーな現場もある。

サブカル系の漫画雑誌。エロ(もうエロは違うみたいだけどなあ)。
恐怖漫画(よく知らないけどね)。同人誌。
学習漫画(ここもあんまり。大手の真似したがるからな)。絵本みたいなとこ。
漫画以外のものが中心の媒体。売れていない漫画雑誌(想像だけど)。
アニメになった漫画なんかひとつもないような漫画雑誌。
だいたい「きちんと漫画が管理出来る編集者なんていないところ」。

そういう「きちんと漫画が管理出来る編集者」が、
「いても、その数がすごく少ない」「投げっぱなし。つくりっぱなし」
「作り手の想いを重視するところ」・・・そういう現場。

こういうところでは
別に「キャラクターを第一にして漫画を書く」ことなんてない。
大手の「工場」のやりかたをマネする必要なんかない。

自由に、自分の頭つかって、書きたいものを、書けばいいし、
そういう現場なら「テーマ、メッセージから漫画をつくる古典派作法」とかが
有効で、工場では作れないような、「血の通った漫画」ができる可能性が
大きい。だから、そういうことを自覚して、書くのがよろしい。

たまに、そういう「マイナーな、ミニマムな現場」で
「大工場」のマネをして、「できそこないの工業製品」を作ってしまう
漫画家/編集者がいるけど、そういうのは、あんまり賢くない。

「大工場」に行くための「練習」というのならわかるけど、
そんな「練習のためのできそこない」を読まされる読者は
ちょっと可哀想かもしれませんね。


・・・整理すると、
昨日あたりにガタガタ言ってたことは
こういうことなのかなあ。
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コメント
(Uさん)---------------------------------------------------------------
でも、マーベルとかDCとかもマスプロダクションとして作っているのに変なのが生まれるというのはアメリカのふところの深さなのかな。日本のマンガはもしかするとまだ鎖国状態で、外国のマンガの状況って断片的にしか知らないし、閉じられた国内あるいは日本的なものが好きな外国人のためのマーケットしかないからかしら・・・とりとめもなく考えてしまいます。音楽だともう少しイロイロとあるのだが・・・まあ、基本的にはカウンターカルチャーもサブカルチャーもすでに商業主義に取り込まれているんだけど。

(F2さん)---------------------------------------------------------------
大工場の生産する大量生産品も味わうならいいんですが、
それしか食べなくなっては味なんか解らなくなってしまいますよねぇ…。

味だけならまだしも、いろいろ解らなくなってしまった人たちが
増えてきたのって、そういう大手ビジネスが確立したのと
同調してるような気もします。
ま、日本の社会全体がそういう流れとも言えるんですが…。


画一化が進んでパクリだらけの日本のキャラクタービジネス界より
時々変わったモノが出てくるアメリカのそれの方が懐が深いというのは
確かに言えるでしょうね。

方程式が生まれているってことは、
クリエーションとしては死んでいるってことだし…。

(うおりゃー)---------------------------------------------------------------
>Uさん

そうですね。メジャーのアメコミなんか、
ずいぶん「勝手な事やってんなあ」というのがある・・・そんなふうに
感じるね。

でも、あれは「バットマン」で一番儲けられる人たちは
変わらず、権利者としてドカンといて、
何十年もやってて、
「普通に続けていくだけでは、変化のつけようもない」くらいに
煮詰まってるから、

たまに強烈に作家性のつよいヒトに
「お祭り扱い」で、やらせてくれてるんだよね。
結局、映画監督に、ヒーローで「映画」作らすのと同じ感覚なのかな。

日本も、たぶんあんなふうになるんじゃないの?

吉崎観音に「ドラえもん」やらせてみよう・・・とか。
谷口ジローの「ルパン三世」とか
山口貴由の「はだしのゲン」なんかどうだろう。凄そうだぞ。
デビルマンとかでは、もう、やってたよね。
書き手にもっとハンドルを預けちゃえば、面白いかも。

ま、何やっても、保守的なファンからは袋だたきなんだろうけど。
大手独占で、著作権でがんじがらめで、煮詰まってくると
アレしかないような。

たぶん、もっともっと煮詰まると、アメコミみたいな
クロスオーバーとか始まるよ。
「金田一少年VS.名探偵コナン」
「アトムVS.鉄人」「鬼太郎VS.怪物くん」とか。
作者死んじゃえば、なんでもありだよな。儲かればいいってだけだし。

そういうどうしょうもないとこからも、
根性の入った「変な漫画」は、作り手が化け物みたいなやつだったら、
すごいものが出るかもしれない。
アメコミって、そんな感じなんじゃないの。

懐がふかいといえば、いえるね。
「こまかいこと言わないで、勝手にやらせて、大きく稼ぐ」というか。
そんなとこなんじゃないの。

(うおりゃー)---------------------------------------------------------------
>F2さん

うん。でも、わかんなくなっちゃうよな。
わかんないひとが増えて来たっていうけど。当然だ。

「漫画関連がビッグビジネス」「コンテンツ」とか言い出して、
とくに、変化が急に・・・つうか、状況が徹底して来た。

なのに、漫画ファンって、能天気だからさ。
いまだに「トキワ荘伝説がうんたら」とか言ってる。
大手の「工場」じゃ「漫画を愛するこころ」なんか信じられてないのにな。
ミニマムなとこなら、「いい話だな。がんばれ」なんだけど。
ゴッチャにしてはいけない。

「状況」は簡単に変わらないし、もっとヒドクなるよ。
状況を、便宜的にでも整理して、多少でも理解しておく。
で、対応を考える。
そんくらいしか、個人には、やりようないだろうね。

「けしからん!」って言いたくなるけど、
言ってても、意味ないんだよな。飯が食えなくなるだけでさ。

(Uさん)---------------------------------------------------------------

マンガビジネスは国策になろうとしていますね。麻生さんが総理になっていたらもっとはっきりしたでしょう。福田さんはビルマ(あえてミャンマーと書かない)の事件や、韓国と北朝鮮が頭越しに友好関係を結んで、ずいぶんと苦しくなっているから、来年の春ぐらいまでかな。すると麻生さん。今年作られた国際マンガ賞を手始めに、コンテンツ産業ということで何かあるでしょう。でもその分、マンガに対する規制は厳しくなるかもしれない。まあ、状況をどう利用するかでしょう。今年になってマンガにまた興味が沸いてきて、BDを中心にいろいろ呼んでいます。それと同時に最近増えてきた研究文献も集めています(すぐには読めないので読んでいるといわない)。マンガとBDの垣根が取り払われつつあるように見えるけど、最大の市場であるアメコミにの牙城には、どうかな?

(うおりゃー)---------------------------------------------------------------

>マンガに対する規制は厳しくなるかもしれない。

なるでしょうね。今から、もう感じますよ。いろいろと。
これからは「賢いゲリラ」が頑張らないと。

漫画なんか、世間から無視されていたほうが、健全で、
どれだけ幸せだったか・・・と思います。

金持ちとか権力者が、こっちに来たら・・・
別の次元の話になっちゃいますねえ。

「長いものには巻かれろ。でも、黙って巻かれたままになってるな」という
ような・・・「映画監督」にちかい考え方かな。

>マンガとBDの垣根が取り払われつつあるように見える

そうなんですか。そこらは全然、実感ないです。
最近のBDも、それっぽい漫画も読んでないからでしょうね。

>最大の市場であるアメコミ

アメコミなんか、世界でいうと、全然売れていないらしいですよ!
くわしいデータは専門の人間に聞くと、いいんですが。
アメリカでも、ごく少数の熱烈なマニアしか買ってない・・・とかいいます。

アメコミ映画がバンバン作られているし、
「出来のよいアメコミ」がコンスタントに現れるんで、
「アメコミが一番なんだな」とか、30年前くらいの気分をひきずっちゃいますが。

日本のマンガが世界レベルでいうと、一番読まれているでしょうね。
実感としては、「信じられないなあ」って思うけど。
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by uorya_0hashi | 2007-10-12 10:52 | 漫画関連

キャラクターとエロ 3

(前の日記のコメントの応酬のつづき。ラスト)

(うおりゃー)----------------------------------------------------------------
>要は「こんな人物が描きたい」ということから始めてもいいと思うのですということです。さらに言えば「こんなシーン」「こんなどんでん返し」「こんなラスト」「こんな設定」とかいった部分から帰納法的、逆算的に作るのもアリ

それでいいじゃん。


「こんなコトが書きたい」と思うだろ。

次に「なんで、そんなことが書きたいと思ったのか?」
自分で、自分を検証する。

そうすると、たいてい
その「答え」は、社会性にかかわる問題だよ。
だから、それがテーマになる。
で、一歩すすめて「で、だから、こうしたい。こうしよう!」ってとこまで
行けば、メッセージ。

ソコまで、考えておいてから
キャラクター造形に立ち戻るのが、良いやり方だと思う。

「なんで、それ(キャラクターとか)を書こうと思ったのか」
まじめに考えるのが大事だよね。

たとえば、どうみても女の子みたいな男の子が主人公を書こうと思った。
漠然とキャラの絵をかいてみる。大変、いい感じ。やる気になる。

そしたら、なんでそんなんを思いついたか、考える。
自分の中にオカマ願望があるのか。
あるいはオシャレしたいだけなのか。
「男らしく生きろ」とか、スパルタ親父に言われ続けた反動なのか。
彼女に、こないだ「男らしくないからキライ」と言われたからなのか。
なんか理由があるはずだ。
それは、当人にしかわかんないよ。

で、「ああ、そうだ。コレかなあ」ってのが
彼女に、こないだ「男らしくないからキライ」と言われたから・・・
だって、そう気づいたのなら、つぎに
女みたいな僕と、男みたいな彼女というのはどうだろうとか、
そんな彼女に「男らしくなれ」と鍛えられる・・・・とかいうのは
面白いんじゃないか・・・とか
いや、彼女は普通のかわい子ちゃんがいいな。
彼女の姉さんが、女プロレスラーみたいなほうがいいかも。
いやいや、主人公のかあちゃんが、すごく男らしいひとで・・・・とか
もう少しくわしく考える。

どんどん「男らしさ」の話だと明確になってゆく。

で、じゃあ、そんな話にすることにして、
キャラの性格とか顔、体型、みかけをもっと詰めていく。
はじめ思ってたのより、ギャグっぽくなりそうだから、
こういう絵のほうがいいだろう。
ギャグでいくなら、すっきりした絵で、ゴテゴテさせず、
動きで笑わせたほうがいいんじゃないか?
じゃあ、もう少し、頭身を下げようかな?

とか、そんな感じだろ? 普通の作り方は。
細かく言えば、いろいろあるけど。

決して、最初に「どんな話にするのかはさておき、まずはデザイン。履歴書。
世界観」なんてことはないと思うよ。
そんなことしたら、作りにくくてしょうがない。

別に漫画なんか・・・・特に、新人とか
俺らみたいな泡沫漫画家が、斬新な漫画を書く必要なんか無い。
ちゃんと、てがたく、面白いければいいんだ。

あとは、絵が良い・・・個性的だ・・・とか
びっくりするようなアイデアがひとつだけある・・・とか
主人公はたいしたことないけど、この脇役がいいなあ・・・とか
その程度の、「なんかキラリと光るところ」があれば
充分だよ。
そんくらいで「面白い」って言うもんだから。一般読者は。

ま、それで「売れるか」っていったら、それは「わかんない」。
媒体とかの問題もあるし。「場違い」なら、まず受けない。

すぐ「お話が大事」とかいうと、
「大どんでん返しが必要」「価値観の転換があるような」とか
大仰に考える人がいるけど、そんなの読者が望んでないから。
それは、書き手に「あっと言わせてやれ」という見栄があるだけで
あんまり意味ない。

読者は、普通に漫画読んで、金はらって、読むだけの労力に見合う
楽しみがあって、そこに「もうひとつなんかプラスになるようななんか」が
あればいい・・・と、思ってるだけだから。

漫画を読みすぎて来た漫画家がおちいるんだけど、
「これはあれに似てるから駄目だ」「これはすでに誰ぞがやっている」とか
考え過ぎなんだよ。
「パクリでいいだろ」とは言わないけど、
話なんか、パターン決まってるし、斬新なものなんてない。
キャラクタそのものも、パターン決まってます。

変化つけられるとしたら「切り口」だけだろ。
「少女漫画で北斗の拳やってみました」とか
「スジはSWだけど、ダース・ベイダーがオカマだったら、ルークは
どうなんの? 『お前もオカマになれ!』とか言われんのかなあ」とか
そういうの。

いいんだよ、その程度で。ちゃんと上手にやれば、充分面白い。
お話とかテーマって、そんくらいの話なんだよ。

>「キャラ登録しませんか」

あれもねえ。デザインだけでどうすんのかなあ?
子供の落書き大会というか。
読者ページの「お絵描き大募集」。
そう思えば、「たのしいね」と言えるけれど。

キャラ絵送ってください。それでいいです。
お話?
そんなのは「本職のライター」が考えます・・・ってことだろ。

ま、とにかく、ああいうのと「漫画」は
とりあえず「関係ない」。
一緒に考えてる、業界人も多いけど、月と太陽くらいには違うんじゃないの。

コロコロとかボンボンの編集部では
「同じですよ。そういう考え方は古いですね」って、言われましたけど。ははは。
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by uorya_0hashi | 2007-10-12 10:43 | 漫画関連

キャラクターとエロ 2

(前の日記を読んだ、友達とのやりとりです)

(Hさん)----------------------------------------------------------------
う〜ん、自分の場合マンガをダメにしている元凶は人気が出たマンガの連載引き延ばし、再利用にあるとみてるので、ちょっと意見を異にする部分も有ります。

たとえば「男たちの挽歌」「インファナル・アフェア」等の香港映画、あるいは「マトリックス」でもいいかな。パート1だけだったら大名作なのに、、、ってのも、キャラがたったから、続きが作りたいって制作者側の欲望によって続編が作られてる部分もちょっと感じたり(とか言って続編も好きは好きなんですけど)
逆に話を長くする場合、三国志じゃないけど、キャラがたってることは大前提になってくるというか、、、。

で、キャラを立てるときの「ヤオイ化こそが悪!」というなら、そこはおおいにうなずくところであります(ですのでご意見に反論ってわけではないです)
現在のガンダムシリーズが典型ですけど、リュウとかランバラルとかカイとかいねえじゃん!みんな美形でダレがダレだかわかんねえよ!みたいなのは、ヲタ世界リタイア組には取りつく島も有りません。
逆にちゃんと見てないけど「ワンピース」なんかはよく考えられてる気もするです。

不特定多数を対象とするメジャーな連載漫画は、つかみの部分ではっきりくっきりしたキャラ設定がだいじという小池先生流の考え方は今も有効、でも作り手のヲタ化により、自分の好きな物だけで小さくまとまった世界観の中でキャラをこねくり回すので、似たかよったかのキャラの百花繚乱。結果、一部の熱狂的ファンは獲得できるけど、間口が狭いディープなものになっちゃって、そのたこつぼ的世界観を共有できない人には手が出せなくなっちゃう、という80年代のアニメがたどった道をばく進してる気がするです。まあメジャーなマンガ自体、ちゃんと読んでないので偉そうなことは言えないですが、、、、。

大きな土地は60年代70年代にがばっと取られちゃってるので、狭い隙間でシコシコってのはロックも同様で、今自分が聴いてる中心はポストロックみたいな超たこつぼ世界だったりもするので、しょうがないかなあ、、、、ってのも有りますが、、、、、。

で、青年誌に目を移した場合、浦沢直樹なんかはそれなりにテーマも有るし、キャラもそこそこたってる。風呂敷の広げ方は天下一品、、、、、なのにたたみ方が、、、、みたいになっちゃってるのも、連載の長期化が生む弊害だと思うんですよねえ、、、、。「20世紀少年」の最終巻、まだ見てないんですが、、、、。
「バガボンド」も20数巻使って、まだ吉岡一門かよ、いいかげんいやんなってきた、、、みたいな。まあ原作もこの後迷走するから、はしょっちゃっていいように思うけど。

長くなりましたが、先の見えないこの時代にしんどいとは思うんですけど、とにかくきちんとテーマを見せたいマンガに関しては、4〜8巻くらいでまとめる勇気を持って欲しいのココロなのです。

(Rさん)----------------------------------------------------------------
以前どなたかが
「かっこいいキャラがかっこいい活躍をしてもかっこいいのは当たり前。
かっこ悪いキャラがかっこ悪くあがいてこそ、本当にかっこいい。」
と言ってました。つくづくそう思いますし、
そういう作品が減ったなあ、と思います。
最近のジャンプでは、「努力」という要素が省かれてしまい、
「友情・努力・勝利」が「才能・覚醒・勝利」になった、と
揶揄されてしまってますし。

あと最近の漫画って
>ゲームのルールブック
本当、これになりつつあると思います。
一定のルールがあって、それに従って各キャラが動いて、
そしてそのルールの抜け目をついて逆転するような、そんな話。
でもそもそものルールが良く解らないから、話に入り込めない。
本来そうしたルールってのは例えあったとしても、
漫画家が読者には絶対明かさない領域だったんじゃないでしょうか。

(うおりゃー)----------------------------------------------------------------
>Hさん

誤解してほしくないんだけど、
僕は「漫画の魅力はキャラクターにある」
「面白さの大半はキャラクターのアンサンブルにある」
というような意見には、全面的に賛成なんだよ。

長期連載なんつうのは、キャラの魅力なしにはなりたたない。

言いたいのは、キャラクターが大切だからといって、
キャラクターそのもののデザインとか履歴書、
キャラのまわりの世界観を先に決めてから、
テーマをひねり出すのは、あんまりうまくいかないよ・・・つうこと。

漫画じゃなくて、映画の話は、ちょっと違うんだけどさ。
君が例にとった「挽歌」だって、
「旧世代の命捨てた巻き返し。死に場所はここだ」とかいう「男泣き」で
いこう・・・つうのが先にあって、つぎにキャラを考えていって、
チョウ・ユンファのやったマークという金鉱キャラを掘り当てたんだと
思うよ。

先に、ロングコートにサングラス、2丁拳銃、ライターの火を玩具にする男
なんていうディテールから、作って、あんな話になるもんか。
そんなの、漫画かいたことある君ならわかるだろうが。

マトリクスだって、「自分が当たり前に思ってる世界が、実は作り物で、
本当の自分は寝てるだけなんじゃないのか。目覚めよ」みたいなのが先で、
主人公のキャラを考えていって、「ユエン・ウーピン使えるんなら、
カンフーにしよう。」「CGでっここまでやれるなら、こんなふうに使おう」
つうことだったんじゃないの。順序としてはそうだろ。

で、第一作が当たって、続編・・・つうなら、キャラが先で
「こんどはどんな話でいくべえか」ってなるよな。
それは、続編だから、他にやりようないじゃん。
続編以降は、キャラが先、テーマが後。それは当然。
でも、こういうやりかただと、正編ほど、パワフルで
グッとくる話なんか、まず、作れない。

キャラを先に立てて、キャラ優先で、世界観きめて、
さて、どんな話をやりましょうか・・・みたいな
作り方は、つまり、最初から「続編」つくるようなもんだろ。
いい続編って、あんまり見た事ないけど、どーしてそんなやりかた
すんのかなーつうことだけだよ。

俺が言いたいのは、キャラクターなんかどうでもいいってことじゃなくて、
キャラクターを第一に、最初に考えて、それから「言いたい事」を探すのは
おかしいつうことなんだよ。

りっぱなロケット作ってから、さて「どこの星に行こう?」とか言ってる
ようなもんじゃん。
最初に「火星に行こう」って決めて、じゃあ、こういうロケットじゃないと
駄目じゃん。燃料はこんくらいで、酸素、食料はこれだけはいるよな。
万一にそなえて、どーたらこーたら・・・こういうのがマトモだろ。
そりゃあ、どうかしてるというくらい出来のよいロケットなら
火星だろうが、海王星だろうが、銀河のはてまで飛べるだろうけど、
そんなもん、誰にでもつくれるようなもんかっての。

だいたい、ダラダラ連載が続くようになったのも、
キャラクターの魅力で安定した面白さがあって、
読者とキャラクターが「お友達」みたいに慣れあうから、
「続けられる」ようになったんじゃねえか。

キャラクターを立てて「面白い」漫画になれば、長期連載が可能で、
アニメだのDVDだのグッズだので、どこまでも儲かるから、
「キャラクターを立てることが重要」。そういう商売上の狙いから
来てるモノイイだろ。ああいうのって。

で、「面白い」というのは、「瞬間的な快楽」なんだよな。
「この先どうなるの? それで?」という期待感も「面白い」の
すぐ隣にあるようなものだ。

でも、漫画が終わって、ああ「面白かった」と、「かった」と過去形で
言わせて、「読後感」にかかわるのが、テーマとかメッセージとか
お話の背骨の部分なんだよ。

もう、随分前から「どんなに面白い漫画も、ちゃんと終わらない」
「面白いんだけど、『面白かった』とは言えない漫画でした」
「まだ、やってんの?」とかいうのが、当たり前になったけど、
あれも「キャラの弊害」の間接的なモンじゃないの?

だいたいが、テーマとかメッセージが大切と言っても、
それは「ちゃんと終わってるお話」には必要だ・・・つて
言ってるだけで、「終わりが無いどころか、プロローグです」とか
「まずは人物紹介だけ。そのうち面白くなります。乞うご期待!」とかいう
断片漫画には、そんなのいらない・・・つうか 、テーマもメッセージも
表現できないよ。

そうそう、だから、こういう漫画の話をしていても、
そもそも「終わりまでちゃんとある、お話」なのか、
「まだまだ続きます。さてどうなるか。人気次第で変わります」つうのじゃ
全然違うよな。

俺が言ってるのは
「ちゃんとしたお話を、いちおうでも目指した漫画」のことだと
思っていてくださいね。

そんなもん「人気次第でどんなふうにも変わります」という
舞台演芸みたいなもんだからなー。連載漫画は・・・
なんていう大先生とか、関係者もたくさんいるけどさ。
そういうのは、また別な話だと思いますよ。

大手でたくさんのページと大ゴマ自由自在、
アシスタントたくさん投入の、「週刊連載」が前提の オカネモチ漫画と、
そこらへんの若手が持ち込み用に書くような、ビンボーな「短編」、
あるいは、「漫画学校で課題としてやる超短編」とかじゃ
全然違うもんなあ。一緒にしてはいけないと思います。

俺が言ってるのは「浦沢直樹大先生」みたいな人のことではアリマセン。

(うおりゃー)----------------------------------------------------------------
>Rさん
>かっこ悪いキャラがかっこ悪くあがいてこそ、本当にかっこいい。

あ〜。いい言葉。癒されるねえ。
「かっこわるいのなんて、玩具にならないから駄目」という
日本の、偉いひとに聞かせたい。

>「才能・覚醒・勝利」

「デスノート終了で、ジャンプ、読むのやめるいいキッカケになりました。
あ〜スッキリ、にこにこ」という声を、身の回りで7.8人聞きました。
エライなあ。今までつき合ってたのか・・・なんて思いました。

(Kさん)----------------------------------------------------------------
近の傾向、個人的に漠然と思う事としては
物語と言うよりはバーチャルアイドルのプロモーションビデオみたいに見えるとか、
キャラクターがカメラ目線でポーズとっている様な大ゴマばかりで
登場人物が真剣に物語の世界の中に居る様に見えないとか
そう言う違和感はずっと有りますね。

数十万人単位の、趣味嗜好がかなり読める
孤立したタコツボ市場を相手にした「ビジネス」としての漫画は、
もう息苦しいほどにマーケットリサーチの完成度が高まっている気がします。
ひるがえって現実を見れば、グローバル化やら格差社会やら
なんとも生きにくい世の中。

そう言う状況だからこそ、音楽で言えばストリートミュージシャンの様に
自分自身の手による「自己表現」としての漫画を
最初から作り直そうと言う動きも、一方で活発になりつつある様にも見えますね。
「キャラクターとエロに蹂躙された〜」のお兄さんとか(^^;
「少年ドグマ」の皆さんとか。

ライトノベルやエロゲーが原作らしい深夜アニメなど見てても
時々「えっ!」と思うほど青臭いセリフを聞いたりしますが
あれは、60年代半ばに、当時の言葉で言えば「ジャリ漫」のスタイルで
「等身大の自己表現」に取り組み始めた頃の、COMやら「ぐらこん」やら
肉筆・ガリ版の同人誌やらの「青さ」に雰囲気が似ている気もしないでもなく。

その時代のカリスマ永島慎二氏の漫画、本屋で探してたお兄さんじゃないですが
今こそもっと見直されるべきなんじゃないですかね。
80年代から今日まで、愛読者だったはずの人に「あれはハシカだった」とか
散々な言われ方をされていた気もしますが、今こそ復権の時ではっ。
青さで行くなら、あの境地まで目指さねば。

ただそう言う動きも結局一つの「タコツボ」に収まりがちなところが
情報爆発のこの時代の難しさで…

…と、雑然たるまま、まとまりませんでした…。

そう言えばキャラクターと言えば、伊藤剛「テヅカ・イズ・デッド」。
って自分はまだ読んでないんですが(^^;
たけくまメモでの紹介など読むと
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/09/post_8459.html
物語を必要とする"キャラクター"と
必要としない"キャラ"を分けて考えるべきだと言った
盲点を突かれる感じの論考は面白そうですが、どうなんでしょうね。
自分が「描く身」でこう言うものを読んでも混乱するだけかなあ(^^;。

(Hさん)----------------------------------------------------------------
うーん、、、、この話、実はあんまりしたくないんですが、、、、。

昔からヒーローものなんかはキャラクター先行だったと思うですよ。
では、なんで最近のものが取っ付きにくいかっていったら、ガンダム以降、シンプルな絶対悪の敵を作りにくくなっちゃって、超低年齢層向けのもの以外は敵の側の事情なんてのもそれなりに描いとかないと、薄く感じちゃう。で、どうも入り口の部分でわかりにくい構造になっちゃうというタコツボ化が、、、。
昔だったら、キャラができたら後は自然に動いてくれてたけど、今はそれだけじゃ動いてくれないというか、、、。これって文化が爛熟した際の時代の要請でもあるんで、描き手を責められない部分も有るように思うのです。もちろんキャラの画一化なんかは描き手の責任ですけど。
また、長期連載&アニメ化が半ば前提のメジャーマンガに於いてはキャラ優位の状況も有りジレンマ、ということなんじゃないかと思うのです。

>「ちゃんとしたお話を、いちおうでも目指した漫画」

これは今だって作られてると思いますよ。ただ、長期連載&アニメ化前提のメジャーマンガ(とヲタ向けマニア誌)には馴染まないところも有るので一般大衆には見過ごされているというか、ちょっと受けたら続編が描かれてちゃんとしなくなっちゃうというか、、、。

で、何がイライラするかっていったら、メジャー少年誌のキャラ先行マンガがマンガの全て、みたいに思ってる奴らが知ったかぶりしてものを言ってる&メジャー指向の若者が言いたいことも無いのに漫画家になりたがるから、キャラとかカッコいいシーンとか凝った設定とかの手段を目的化しちゃって、中身の無いものを作ってるって状況なんじゃないかなあと思うのです。また、受けたからといって、連載を引き延ばそうとする出版社側の状況とかにも腹が立つです。描き手が続けたいってんなら文句言う筋合じゃないですけど。

根がマイナー指向の自分なんかずーっと下ばっか見てきたから、この辺のことに関しては慢研にいた頃から何十年もイライラしっぱなしですけど。

>Kさん

自分も今後の流れとしてはストリートミュージシャン系にかすかな希望を見いだしてはおります。
この辺の「ビッグビジネスではない、小説と同レベルの商売」としてのマンガを扱う出版社が増えることを望んでいたり、、、、。

(うおりゃー)----------------------------------------------------------------
>Kさん
>伊藤剛「テヅカ・イズ・デッド」

あ。僕も読んでない。
たけくまメモを読むと「まさにそのとおり!」な本なんじゃないかなあ。
読まなくちゃいけませんね。

>自分が「描く身」でこう言うものを読んでも混乱するだけ

そんなことないんじゃないの。
僕ら実作者は、こういうの読んで、なんかに気づいたら
自分に足りない部分を補えばいいだけだから。
そんだけの話なような。
混乱するほど、俺たち、若くないもん。

漫画全体で「こういう傾向にあって、あんまりよくない」とか
いうことは、また別に、よくわかってない第三者に
説明するために大切なことだろうし。

上のほうで、俺が、なんだかんだ言ってるのは
「見かけだけのキャラ」を先に作っておいて
「面白くならない」つって、「才能がないんだ」とか言ってる
若い人が多いから、
「才能がないんじゃなくて、作り方がまちがってる。順序が変だよ」
って言ってるだけなんだよな。
何度もいうけど、「キャラクターを大事に」とかいう小池式は正しいと思うよ。
「大事に」はいいけど、まとめようと思うのなら、後から考えたら?
つうことでゲス。

別に漫画全部が面白くなる必要も無いし、
ジャンプが ヤオイに乗っ取られても、関係ないし、
商売人がうまくやるのも、結構な話だと思っていますよ。
「そういうの一色」みたいになるのはやだけど。
現実には、「メッセージのある漫画」「面白くてイイ漫画」もあるし、
「そんなのまるでないけど、魅力ある漫画」もあるからね。
話の流れで「とりあえず決めつけた」という感じもあるな。
上の文章は。

>登場人物が真剣に物語の世界の中に居る様に見えない

映画でいう「第四の壁」やぶりまくりだからなあ。
バラエテイ番組は、新春隠し芸大会みたいな漫画だらけ。どうかとは思う。
お笑いのやりかただよね。ああいうの。

>青さで行くなら、あの境地まで目指さねば。

ああいうのもいいよね。みんながやることないけど。
ああいう資質のある人は、やってほしい。

(うおりゃー)----------------------------------------------------------------
>ヒーローものなんかはキャラクター先行

ヒーローものなんかは、かなり初めの方から
漫画というより、特撮のコミカライズみたいなもんだからなあ。
昔は、それでも「行き過ぎた科学への警鐘」つうことで、
テーマはいつもそれ・・・ですんでたんだけどな。

どっちかっていうと、そうねえ。
ヒーローものって「特別な漫画」なんじゃないすか。
特に最初から「こんなもんだろ」で作られているというか。
それをまぜると、話がややこしくなるな。
言いたいことなんか、おおかたは「勧善懲悪」だしな。

ヒーローものなんかは・・・
悪役のほうに、テーマとかメッセージがあるんだろうな。
攻撃的なのは悪役だから。ヒーローは「受け」だから。
ちょっとねじれた構造と言えるかも。

ま、あんまりテレビアニメとかテレビ特撮とかと、
漫画をゴッチャにしないほうがいいね。

ところで、
Hさんは、いまだに「ヒーローもの」にこだわってるんですか。
子供向け・・・とか眼中になさそうなのに。
まあ、大人のヒーローってのもちゃんとあるからなあ。
子供向けって限った話じゃないのか。
「ヒーロー論」というのは、また別なような気もするなあ。うーん。

子供漫画は、また、それも特別なものなんだよな。
俺もすぐ、ゴッチャにするけどさ。別に考えたほうがいいよなあ。
子供はまず「漫画の読み方を知らない」し、
業界の「玩具屋による支配」の話とかもあるし。
昔の読者が「子供漫画に期待し過ぎ」とかいうのもある。

ま、みんあ同じようなのにならなくてもいいのになあ・・・
つうのは、ハッキリと感じますが。

>メジャー少年誌のキャラ先行マンガがマンガの全て

ああ。すごく多いんだ。
漫画とは、ジャンプ、マガジン、サンデー・・・が漫画のすべてみたいな
ひと。

「現在連載中の漫画」しか漫画じゃないみたいなとこもある。
古いの、マイナーなの、忘れちゃったもの、海外のやつ、同人誌・・・
いろいろあるから、読めばいいのに。面白いのたくさんある。

(Hさん)----------------------------------------------------------------
想定されるところの「キャラ問題」ってジャンプのことと、ヲタのことと2種類有りつつ、今は混じってるのでややこしいですね。

で、「友情・努力(覚醒)・勝利」の原型って、自分は「サイボーグ009」に求めちゃうので、ついヒーローって言っちゃいましたけど、要は「こんな人物が描きたい」ということから始めてもいいと思うのですということです。さらに言えば「こんなシーン」「こんなどんでん返し」「こんなラスト」「こんな設定」とかいった部分から帰納法的、逆算的に作るのもアリと。うおりゃーさんの作風もそんなところが有ると自分は思ってますけど、、、。
ただこのやり方は、飛び道具ですから、続編はエスカレートする方向に行っちゃって、迷走しがちというか、、、、。「こち亀」みたいな程々感がうまくコントロールできたらおいしいんですが、、、。

で、根本的な問題は「語るべき物語の欠如」って部分なんだと思うのです。
一生懸命キャラ描いたり設定考えたりしてる新人さんに、「みんな言いたいこと無いのに漫画家になろうとしてない?そんなんだと編集さんにいいように使われてぽいされちゃうよ」と言ってやりたいというか、、、、。
それとは別に、「語るべきものは語り尽くされてる」って感覚(たぶんいまどきの頭のいい子はみんな抱えてる感覚と思うです)はちょっと重くて、自分にも跳ね返ってきちゃうんで、あんまり言いたくないんですが、、、、。

そこそこの物語は作れても斬新な物語は作りにくい、そんな時代にキャラを重視するってのは、要はせめて衣だけでも着替えてみるって話で、わかるんですけど、まあ寂しいというか、、、、、、、、キャラキャラ言うからマンガがダメになったんじゃなくて、ダメになったからキャラキャラ言ってる、、、、って、、、、言うのはつらいですけど、、、、。メジャーなロックもそんな状況だし、、、。

イラスト界も一攫千金のポイントがそこにあるっつって「キャラ登録しませんか」ってお誘いメールが来たりしますが、宝くじじゃないんだからさあ、、、、みたいな、、、、。

まああくまで大勝ち狙う世界のことだから、そこと無縁の世界は淡々と続くと思うし、そこに希望を持ってるんですけど。

、、、、、あんまり語ると落ち込むので、これにて失礼致します。

(さらに続きます)
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by uorya_0hashi | 2007-10-12 10:42 | 漫画関連

キャラクターとエロ 1

前の日記からの続きみたいな話。

「キャラクター、キャラクターとウルサイから漫画が駄目になった」
つう、話は、最近、若い漫画ファンのマイミクも言ってたんですよ。
僕も、同意見なんですが。

この場合のキャラクターって言葉はですね。
登場人物に決まった人物配置があって、ワンパターンだ・・・とか。
連載の途中で、「キャラクター人気投票!」とかやって、
その結果、人気のあるキャラクターの話中心に路線変更する。
本当なら死んでなくちゃいけない仇役が、イイモンになる。
死んでしまったキャラが蘇る。そっくりな双子が出てくる。
で、その結果、「言いたい事」とか「話の筋」「主人公の目的」とかが
当初とズレまくり、読者の大多数が望む方向にひんまがる。
人気は出るんでしょうが、同時に読者に媚びるわけで、
サービスとしてはアリなんでしょうが、話は安っぽくなるし、
読んで感動して、人生が変わる・・・とか
そう言う方向には話が行きませんね。
簡単に言えば「いわゆるジャンプの漫画」がコレ。

漫画そのものが、コミケ、同人誌のネタの供給源として
機能するよう、はじめから計算されて、プロデュースされてる。

で、このたぐいの問題点は、もうひとつあって、
いわゆる「婦女子の介入」ですね。
美男キャラの「キャラ人気投票」なんかやって、
ハガキ募っても、マメに送ってくるのは、筆まめな女性読者が
ほとんどですから、こういうやりかたをすると、
どうしてもヤオイ系の方々に、漫画の行く末を牛耳られることになります。
人気投票>女子の票ばっか>女子に迎合>人気さらに獲得>でもヤオイ系に・・・
とかいう流れ。

ジャンプが、まじめにハガキアンケートの結果とか
人気投票を重視して、誌面を変えていったら、やたらとメスくさくなり、
どこが「少年」ジャンプなんだ? とか、なった。
そういうことですね。

で、どこらへんからこうなったのか・・・つうと、
やっぱりスラムダンクとかあのあたり。
人気投票はキン肉マンとかからだけど。

「男の漫画ファン」の側からすると、
ダメな醜男番長とか、デッパのずるいキャラとか、のろまなデブとか
コウモリみたいなインチキ詐欺師とか、人三化七、
そう言う差別的なキャラも大事にしてほしいんですが、
キャラ、キャラ言う世界の話だと、そこらはどうでもいい扱いなんですね。
そこが、漫画の厚みの欠落につながる。
だから、けしからん。

もうひとつ。キャラ、キャラ言うときのキャラって、
ユルキャラとか言われてるようなマスコットキャラのことを言うこともある。
子供漫画に多い、かわいいキャラ。ポケモンみたいなの。

子供漫画では、こういう、かわいいキャラが、必要以上に幅をきかせて、
「かわいくなければ漫画ではない」とか言ってますね。
ちょっと前のコロコロなんか、そう豪語してました。
そういうの、漫画に出すと、ウケるんです。
子供が、思わずハガキに似顔絵書きたくなるようなやつ。
ゲームキャラなんかもそう。だからゲーム漫画はみんなこの類い。

でも、かわいいキャラで、強烈な、ドクのあるギャグなんかできませんし、
ハードな闘い、現実を反映したような苦悩、社会性なんかは
表現出来ない。どうしても、「わ〜、ころんだ」「ずっこけ」「おなかすいた」
とか、子供向けとはいえ、「なんか他にあるだろ」とか言いたくなるような
ダメな漫画が連発されます。

でも、いいの。それでも、かわいければ人気とれるし、
年に何本か作らなきゃいけないテレビアニメにはピッタリだから。
つまらなくても関係なし。子供、喜んでます。
「しましまのとらじろう」でも喜んでるよ! 文句あんのか?
とか、言ってるんですよ。あいつら。

もうね。すがやみつる先生が、「あらし」始めるときに、
編集者から「すがやさん。ハンサムな主人公だと、男の子にウケないから、
思い切り不細工な主人公にしましょうよ」と言われた・・・・
そういう伝説の180度逆の世界ですわな。

ばかたれ。コロコロ伝説なんか作るくらいなら、
いまの本誌をなんとかしろと・・・ま、どうでもいいけどさ。
関係ないしな。へへへ。儲かればいいんだもんね。
子供に「漫画なんかつまらん」って、プリントしちゃっても、
いまの編集部が儲かればいいだけで、関係ないもんなあ。

ま、こういうのも、いわゆる「キャラの弊害」のひとつ。

80年代に小池一夫大先生が、劇画村塾で「漫画とはキャラである」
「キャラを立てろ!」とか言い出して、火事がひろがるように
キャラという言葉がメジャーになり、
総理大臣に、こないだなりそこなったような、オジサンまでが
「キャラが立ちすぎて、いじめられてます」なんて言う。

現実の人間が、漫画になって、どうすんだよ。
ま、勝手にしろ。

問題は、キャラクター優先のあまり、
テーマとかメッセージがなくなることなんだよ。

テーマとかメッセージって言うと、
登場人物にダラダラと「戦争はいけないことなんだ!」とか
「たいせつなのは愛だよ!」とか言わせることだと
勘違いしてる若いのもいるけどさ、そうじゃなくて。

「どんなに科学が進歩しても、人間の頭は進歩しないから、いつまでも
戦争やっとるげな。儲かればいいんだとかいって、武器つくる人は
1000年後でも元気にやってます」というのを書こう・・とまず決めて、

「心正しい未来の宇宙青年が、戦闘にまきこまれ、なんだかんだ
戦争にかりだされ、戦うことに阿呆らしくなって、武器商人になり、
馬鹿な将軍かどわして、大儲け。デススターみたいな最終兵器納品して、
故郷の星をそれでふっとばす」とかいう話をつくり、世界観を充実、
面白くなるようなキャラを配置して、アクション満載。(できるだけ)
暗くてしんどくなりそうだったら、お笑いキャラのお調子者を・・・。
短編なら、この話の、ケツのとこだけ書けばいいじゃん。
わかるように、ちゃんと書けば、なんとかなるかも。

そんなような段取りをふむのが
手塚調の「テーマ主義」というか「古典派漫画の作法」だよな。
こういうやりかただと、最初に「背骨」作ってから、肉付けするわけで
破綻がないの。逆に仕上がりが硬くなり、意外性にかけるとか
「漫画ならではの自由闊達な雰囲気」に欠ける・・・とか、
ヘマに作るとなりやすい。

だから、「テーマとか言ってつくると娯楽性がひっこむ」とか言われるけど、
それはやりかたがヘマなんであって。
普通、なんでもモノこさえるときは「設計図」とか「道理」から入るし、
家立てる時も、重要なのは、土台であり、柱、梁だろ・・・。
そういう「科学的なやりかた」・・・と、言えるかもしれない。
これが「古典派」。昔、当たり前だった、漫画の作り方。
どっちかって言うと、「理系的」な作り方かもね。

でも、最近の若いのの漫画の作り方は違うの。

「最初に重要なのはキャラである」と信じててさ。
で、なにがキャラなの? つうと、これがキャラクターデザインの
ことなんだな。

スケッチブックに、山ほど、アニメの設定画みたいなの、書いてる。
こまかい注釈が書いてあって、
「なんじゃら波動レーザービーム」とか
「無重力うんたらかんたら固定装置」「なんとか軍階級章 伍長」とか。
「 ツンデレ系。だれそれの前だと、耳まで赤くなる」とか。
ウンザリする。

で、「このキャラでさ・・・・どういう話、書くの? 何ページで?」
とか聞くと
「宇宙暦 うんたらかんたら。なんとか星雲ではげしい戦闘があり・・・
主人公の伍長が活躍し、成長するストーリーです。30ページで」
とか言うんだよ。
なにも決まって無いのと同じだろ。それ。
そんな設定画、何千枚書いても、漫画にならないよ。

「はあ、そうすか。友人には評判よかったんですが。このキャラ」
また、キャラかよ。勘弁してくれ。
だからね。なにが言いたいのかというと、まずテーマをさ・・・。
「テーマは愛です!」
うるさいよ!お前! 愛とか言って、漫画になるか!
「やっぱり、SFにとって、大事なのは世界観ですよね・・」
そうだねえ。もういいよ。お前とは話したくない。
一生懸命やって、上手になれば、目端の聞く編集が拾ってくれるかもね。
頑張ってくれよ! そのほうが早道かもなあ。
ずっと、キャラ設定、こねくりまわしていなさい。頑張れよ!

・・・・こんなのも「キャラの弊害」かな。

で、エロの弊害ね。
こっちは分かりやすいよな。エロは個人的には大好きだけど、
エロをやっちゃうと、エロの麻薬効果は劇的だから、
そっちに話がひっぱられちゃう。

隠し味程度にやるのがよろしい。
同じ性癖を、無意識に抱え込んでるようなやつだけが
ちょっと感じてしまうくらいの、化学調味料をちょっと使うくらいの
程度なら、あったほうが、
キャラクターに色気・・・というか生気がでるので、あったほうがいい。
だいたい、自分好みのエロを仕込むと、書き手のやる気が出るよ。
うん。そこが、またヨイのだなあ。

ただ、使いすぎると、エロ系にグイグイひっぱられますね。
リビドー全開。とめどもなくなる。どんどんエロマンガに。
下ネタと同じですなあ。下ネタそのものか。

でも、てっとりばやく、ウケますからね。
「漫画とはサービス業だ!」つう明言もありますよ。
エロでもなんでも、どんどんやって、人気とって生き残らないと
廃業ですからね。おっぱいも大きくないと、いかん。
なにかというと、シャワーあびて、そこにかかってきた電話に
出ようとしたら、主人公と鉢合わせ。大股開きで顔面にブワッと。
こうでなくてはイカン! 生き残れない! それもそうですなあ。
でも、全員でやらなくてもいいような。
あんたはやめとけ・・・つう絵の先生も、やるのは、ちょっと・・・。


手塚治虫の話が、
前の日記の、コメントに出て来たけど、
手塚先生は、キャラもエロも、テーマのためにコントロールしてた。
そこがエライところ。テーマ主義。

永井豪は、キャラもエロも暴走させた。コントロールを放棄。
そこが画期的。ただ、苦心して、風呂敷は畳もうとしてる。強引にでも。
そこが良心的。信頼できました。(今はどうだか)

最近のオタク漫画。いろいろあるけどさ。
キャラの格好も、世界観も複雑でさ、
ゲームのルールブックみたいなの、ちゃんと読むくらいの腹づもりで
読まないと、なんだかわかんない。
そう。士郎正宗あたりから始まったような「感じ」かしら。
もともと、SFとか、嫌いだから、大変なのよ。ああいうの、読むの。僕。

で、努力して読んで、世界観にひたって、それなりの言いたい事が
書いてあれば「ああ、さすがやね」となるけど。
努力して、複雑な設定を理解して、読んだら、結局
「いや〜ん。ばか、エッチ〜」みたいなのだったりして、
作者の首しめたくなる。

だったら、普通のエロコメでいいだろ!
とか思うのは、間違いなんでしょうか?

どうも、糞みたいなのが、
やたら着飾って、ガンダムみたいな機動装甲つけたような漫画が多い。

また、いっぽうで、
一般青年誌の漫画もなあ。
全然話がすすまねえし・・・エッセイみたいな面白さとか
侘び寂びみたいなこと言われても・・・・。
ま、こっちはキャラとかエロとかいう話とは、ちょっと違うから
今日はどうでもいいや。

そんなようなことを、ダラダラと思いました。

長過ぎて、疲れた、忙しいのに。もうやめた。知らん!
馬鹿だ、俺。
-------------------------------------------------------------------------
コメント
(F1さん)----------------------------------------------------------------
前回の日記から読んで一つ思う事があるんですが、キャラクターとエロが漫画の中心になった事が漫画を面白くないものにしたと仮定して、誰がそうしたんでしょう?

そういう漫画ばかり好む多くの読者。
そういう漫画ばかり雑誌に載せる多くの編集者(出版社)。
そういうものばかり描いてくる多くの漫画家。

勿論全ての読者、編集者、漫画家がそうではないのでしょうが、なんかこう考えると誰も悪くない気もするし、また誰もが悪い気もする。


難しい話ですねぇ

(Mさん)----------------------------------------------------------------
うおりゃー様。

ボクは日本人のキャラに対する感覚と、西洋人のそれが、かなり違っているのを感じます。

西洋は、スーパーヒーローがもてはやされる国で、
「男は強くなくては生きてゆけない。女に持てない」の論理が支配していて
日本は「男はカワイクなくては生きていけない。女に持てない」
の国だと、ボクは考えています。

ハリウッド映画だと、スーパーヒーロー、だけでなくスーパーヒロインまで、しゃしゃり出てきて、男勝りの、パワーをひけらかす女が、しょっちゅう見られます。ボクはそういった、「エイリアン」のリプリータイプの女は、願い下げ。

家に帰ると、家内が三つ指突いてお出迎え
「あなた、お風呂になさいます。お食事。それともエッチになさいます??」
と奥ゆかしく楚々とした佳人でないと・・・。
ん??

『リロ・アンド・スティッチ』(Lilo & Stitch)
スティッチなんか、日本人の目から見たら。
全然かわいくありませんからね〜〜。

『ポカホンタス』(Pocahontas)
なんか、顔が五輪真弓だし・・・

もともと、日本語の「かわいい」が古語的な意味では
「かわいそう」と同じで
「おぼつかなくて、たよりなくて、母性本能をくすぐって、守ってあげたい」みたいな意味と通じるものがある言葉で。

だから、スーパーマンでなくて「寅さん」みたいなヒーローに人気が出てしまう。これは黄色人種の
ネオテニー/幼形成熟、幼態成熟/が、
強く影響しているのではないか。

黒人<<白人<<黄色人種<<日本人
の順にネオテニーが強くなり、日本人は、海外に行くとみんな小学生か、中学生に見られるという。

ロリコンがはやるのも、そういった下地があるから。
源氏物語なんかロリコン文学。

西洋人はcharacterそのものの意味。
個性, 性質, 性格, 気質;特徴
でとらえるから、なにも「かわいい登場人物」でなくてもいいわけで、極端にいえば、人物である必要は全くなくて、

ゴッホが古靴を描いた絵は「古靴のcharacterを見事に描き出した、傑作である」なんて使い方のほうが一般的。

向井潤吉の描いた茅葺き屋根の民家は、「廃屋のcharacterを見事に描き出した、傑作である」とも言えるし・・・

ん??何が言いたいか判らなくなってしまいました。。。。

(Oさん)----------------------------------------------------------------
あう、なんというか読んでいるうちに自分が説教を受けているような気分になってきました(焦

うおりゃーさんの言うことは全て的確なものだと思います。

最近は流行モノにかぶせるような二番煎じ漫画が増えているのも一因かと思います。

古くは「宇宙戦艦ヤマト」や、最近では「新世紀エヴァンゲリオン」などが一大ムーヴメントとなった際に「俺もこういう作品を描いて売れっ子間違いなし!」といったものから「こういう感じの作品にしちゃえば頑張らんでも売れるかな〜」というような志の低い考えも含めて「画一的」な作品がズラリと並んでしまうような事態は過去にも何度もありますし。
こういう作品の中で差別化が出来る数少ない要素が「キャラクター」だと思うのです。
似たような作品であるならばより見ていて面白いものを求めるのが常ですから。
もちろん、脚本とかでも十分な差別化は出来るとは思いますが、結局土台はヤマトなりエヴァなりなので既視感を覚えてしまうわけで、そこで優劣を決めるのは絵柄なりキャラとなるわけだと思います。

頭が弱い学生なりに考えてみましたが、的外れもいいところですねぇw

(うおりゃー)----------------------------------------------------------------
>F1さん
>キャラクターとエロが漫画の中心になった事が漫画を面白くないものにした

違うよ。そういうわかりやすい話でもない。

「とにかくキャラクターを第一に、漫画を作るやりかた」と「エロ」が、
漫画の作り方を、「実は作りにくいやりかた」であって、
で、それで「画一化」して、「みんなそういう作り方してるヨ」って
なっちゃったことが、イタイというの。

だから、みんな同じような「不自由な漫画」になって、そういうのが凄く多い。
「不自由な漫画」ばかりで、本屋の棚が埋まってるから
「ちょっとおかしいんじゃないの?」ってだけ。
「美少女」と「メカ」って、誰が決めたの? 
そんなルールは、もともとないじゃん・・・そんな感じかなあ。
自分が好きで書いてるなら、いいと思うけど。
強迫的に思い込んでるようなのもいるよ。

「オタ漫画」もいいんだよ。多すぎるだろ・・・・
こんだけオタのインフレ起こしておいて、「差別化がどうの」とか
瑣末なことを言ってるから、全然駄目なんだ。
根本から考え直せ・・・つう話。

>そういう漫画ばかり雑誌に載せる多くの編集者(出版社)。

コイツが一番の悪者だよ。断言するけど。
「それが儲かる公式だから」って、誰かの本読んで「あーそうか」となり、
自分で、まともな文章も書けないくせに、
わかったような顔して「俺の言う事を聞けば売れる」とか言って、
変なふうに漫画を強制すんの。

別に、そのひとなりの「勝利の方程式」を授けるのはいいんだよ。
「マーケテイング」という宗教を、絶対主義的に押し付けてくるのが変だ。
例外を許さないような雰囲気が変。
で、「このとおりに描け」とかいう原案が、メタメタでさあ。
「売れる要素をモザイクにしました。美少女。疑似科学。天然。メイド。
変形メカ。宇宙戦争。猫耳・・・にゃ〜ん」
なぐるぞ、コノヤロー! じゃあ、これでまともな漫画になんのか、
お前、書いてみろ! 「それをやるのが、漫画家の仕事でしょう・・・」
とか、そんなんだな。
だいたい漫研あがりのくせに、まともな漫画一本書いた事が無い、
もとアニメオタクなんかに多いタイプでさあ。
「創作」ってもんが、実感として、わかってないから、
言う事が物凄いよ。漫画一ページも出来てないのに、
主人公の声優は「うんたらかんたらさん」がいいなあ・・・とか言い出す馬鹿。
こういうのは、ペーペーのうちはいいんだけど、
こんなんが実権にぎると、悲惨な現場が続き、地獄まっしぐら。
ま、関係ないけどねえ。

犯人の第一は、こういう漫画家くずれの馬鹿編集だよ。

(もちろん、ガロっぽい漫画とか、ニュー劇画みたいな
別の流れもちゃんとあって、そっちはそっちで頑張ってる・・・・
ということはわかってますよ。そっちはちょっと置いといて。)

>Mさん

Mさんのいう、ヒーロー像とか、「自立した大人」論みたいなのは、
そのとおりだと思いますよ。
外人とポンニチとは、全然違いますよね。
そういうのは、いろんな局面で、違いがありますね。

>Oさん

うん。キャラクターとはファッションだから、
世の中に合わせて、どんどん着替えればよろしい・・・
という話ね。それはそのとおり! ケチのつけようもない意見。

でも、背骨もグダグダだし、筋肉もねえし、
自分じゃ立ってられないだろこれ・・・みたいな漫画を
いくら「今風」に着飾ってもねえ。
古くさくても、骨格がちゃんとした話なら、いいんですよ。
「思いつきの串団子」じゃあ、どうにもならないしなあ。
はじめの3回くらいで、化けの皮はがれるよね。

アニメなんかだと、金かかってるし、被害もでかいよね。
でも、アニメって、漫画とちがって、責任者が曖昧だから、便利だよなあ。

漫画の場合はね。
はずれれば、み〜んな、「漫画家の罪」になります。
ちゃんと干される。死んじゃうとか、狂うとか。一家離散。田舎帰る。
馬鹿編集は、異動するだけ。いいよなあ、編集者。
うらやましいなあ、プロデューサー。ヘヘヘ。

(コメント等の量が多すぎ、ここに掲載できないので、つぎに続きます)
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by uorya_0hashi | 2007-10-12 10:39 | 漫画関連

キャラクターとエロに蹂躙された漫画界!

以下は、つい最近、某SNSの中の日記で書いたものです。

これを読んだ、
「真面目に漫画書いている若い人」から
「内容に、みんなに読んでもらいたいような部分があるので、
ぜひ、『外で』公開してくれ!」と言われたので、
一部、内容をいじくって、公開します。
とりあえず、3日ぶん、連続で。

コメントに、僕の友達が書き込んだ文章もあって、
それも「重要」で、欠かす訳にはいかない部分もあり、
当人の名前はふせて、文脈上、公開しない方がいいかも・・・・
と、思った部分は、当人の代わりに「勝手にカット」しました。
(カットされたり、公表されたりで、迷惑なひとは言ってください。取っちゃうから。)

では、まず1日目の日記。
---------------------------------------------------------------
『キャラクターとエロに蹂躙された漫画界!』

きのう、新宿に打ち合わせ行ってきました。急な仕事の依頼で。

帰りに、ディスクユニオン映画フロアに寄る。
サントラ、「エスケープ・フロム・LA」スコア盤と
サントラ、「デッドゾーン」マイケル・ケイメンを買う。ああ、じじくさい。

ジュンク堂、漫画売り場で、
畑中純「極道モン」1&2巻を買う。

まだ学生っぽい2人組が、漫画の話をしている。
片方が、漫画書いてるらしく
「キャラクターとエロに蹂躙された漫画界では・・・(聞こえない)クソだぜ!
俺の目指す漫画は・・・(聞こえない)」とか、
なかなか鼻息が荒い。たのもしい。

ほう。元気のよい若いのがいるな。顔みると、
クルーカットにあごひげ、色黒、ヒョロッとした黒長袖Tシャツ。
なんとなく芸術っぽい?
買おうとして、手に持った漫画も、青林堂とか古谷兎丸とかそんなんだった。

「漫画家残酷物語さがしてるんだけど、見つからない」とか言ってる。
「あれ? それって『黄色い涙』ってタイトルで、映画公開に合わせて
安価で出たんじゃ・・・」と、思ったけど、まちがってたらヤダし、
気違いと思われてもいかんので、だまってた。

しかし、『キャラクターとエロに蹂躙された漫画界』というのは良い言葉だな
・・・なんて思う。

畑中純の「月子まんだら」は品切れで、置いてない・・・というから、
じゃあ・・・と、紀伊国屋へ。

マンガ売り場に行く。「月子まんだら」見つからず。
まあ、いいや。なんかのついでにアマゾンで買おう。
復刻系の漫画本に欲しいのがたくさんあって、「ああ」と思う。
あんなに出したら、嫌になるだろ!
ブクオフに落ちてこねえかなあ。

帰りの電車で、
マッシュルームカットのヒョロヒョロミュージシャンなお兄さんが
ニコニコして漫画読んでて、「なに読んでんだろ?」と気になり、
なにげなく覗くと、「ドラエもん25巻」。

うむう。
「キャラクターとエロに蹂躙された漫画界!」とか言ってたお兄さんのことを
思い出しました。

電車のなかで「極道モン」読む。
なんだ、これ。良太と月子がでてこない「まんだら屋」じゃん。
2人が出て来ないから、殺伐としたリアル感は
より、増強されてるけど。

(Gさん)-------------------------------------------------------
まあ、黒いオタクも白いオタクも両極端ですから〜w

とはいえ、最近のアニメとかまんが見た目は新しくても
話やt表現が60年代後期に見えるのですが・・・・・

(うおりゃー)-------------------------------------------------------
>Gさん
>黒いオタクも白いオタク

ははは。そんな言い回しは初めて聞きました。どういう意味っすか?
なんとなくわかるけど。
僕もそう思いますよ。
なんつうか・・・「自覚」があれば、同じなんじゃないですかね。

>話やt表現が60年代後期
どういうのを言ってるのかわかんないですが、
横山光輝調というか、山田風太郎調の集団ゲーム性の強い漫画のこと?
それともガロっぽい流れ?
へんにレトロくさいお笑い漫画?

(Uさん)------------------------------------------------------
過去の自分にであったのでは?それで二人組のもうひとりは過去の私。

(うおりゃー)----------------------------------------------------
> Uさん

僕は、そんなエラソーなこという若者じゃありませんでしたよ。
早い時期から「へへへ。なんでもやります」でした。
・・・まあ、話の流れで、すぐコーフンしてしまうことはあったけど。

立派な漫画家になってほしいですね。名前も知らないけどさ。

(Gさん)-------------------------------------------------------
アニメのクレイモアとかシグルイみてると
言い回しまで、もうまるっきり60年代のチャンバラのパターン。
初めわざとギャグでやってるのかと思いましたよん♪

でもこれがマジでやってるんですよw
流行りは20年でくりかえすというけど・・・・

(Kさん)--------------------------------------------------------
>キャラクターとエロに蹂躙された漫画界

手塚治虫が出てきた時だって、当時の大家から散々に言われたそうだし、マスコミから「悪書」って批判されたそうですね。
エロとは言えないけれど、初めてキスシーンを描いたのは手塚の「サボテンくん」らしいし、性をテーマにした「アポロの歌」と「やけっぱちのマリア」では一部の県で、「有害図書」に指定されましたね。
1969年頃、少年雑誌でもエロ(ハレンチ学園)とか惨酷・悪徳(アシュラとか)氾濫して、私は子供心に「こんな漫画を読む、こらからの子供はどうなるんだろう?!」と思ったものですよ(苦笑)

>漫画家残酷物語
40年近く前にサンコミックスから出た1、2巻とも持っているから、その人に貸してあげても良かったんだかな(苦笑)
良い漫画を描く参考に。


(Uさん)-----------------------------------------------------------
考えたら、アトムって、ドールだし、「やけっぱちのマリア」もドールですね。手塚先生はドーラーだったのか…全てのオタクと萌えのソースは手塚にあるのかも。キャラクターとエロ…それって手塚のこと?するとまず手塚を否定しないといけないのか。

(うおりゃー)-----------------------------------------------------------
>Gさん

クレイモアってのは、見たことない。
シグルイは、3回くらい見ました。
そうですね、セリフとかは昔ふう。
アクションはハッタリが効きすぎて、好みじゃないです。
劇画チック・・・と、いえば、そうなのかな?
やるんなら平田弘史をマネしてほしいス。

でも、あんなのアニメでやるってのは、凄いですね。
ちょっと前にはなかったような。

>Kさん

世間は「描写」を問題視するんですが、そんなのはあんまり
たいした事ないと思いますよ。
「描写の繰り返し」というか「描写のインフレ」が問題だと思います。

エロ漫画とかで、たとえば近親相姦を描写してあるとします。
それが、ギョッとする感覚はまともなんですが、
多くの書き手がウケるから・・・といって、近親相姦を書くようになると
「そんなの普通だろ。漫画では」とかなる。
この「慣れ」がアブナイ。

過激な表現が、特別なこと、数少ない例外なら、まともな事で、
少しくらいなら「ガスヌキ効果」もあるから、いいんじゃないの?
と、思いますが、日本の版元は、「右へ倣え」「遅れてなるか」
「もっとエスカレート!」となるので、おかしなことになります。
で、世間の許容範囲超えてやりすぎて、事件のネタにされて、
弾圧される。ソコソコでやめておく・・・とか
「おかしな奴は少しなら許される」とか配慮があれば、いいんですが。
いつもやりすぎるからなあ。

だから「最初にやった人」には、たいした罪はないと思います。
タブーをおかした勇気をほめるべきでは。
無自覚なフォロワーが、批判されるべき。
でも、世間は、そんなふうには全然思ってないけど。
最初のやつに罪をみんなかぶせて、めでたしめでたし。ですね。

>漫画家残酷物語

児童漫画を特別尊い漫画みたいに思ってるやつがでてきたり、
ちょっとどうかなあ。漫画は芸術かなあ。・・・とか
思いますけどね。
ああいう、真面目な時代があったんだなあ・・・凄いね。
みたいには思います。
でも、みんな、生活のために転ぶんですが。
唐沢なおきの「漫画家超残酷物語」も、合わせて読むと、5倍楽しめますよ!

>Uさん
>全てのオタクと萌えのソースは手塚にあるのかも

そのような周知の事実を、今気づいたふりして
話題提供してくれるUさんの
しらじらしいまでのサービス精神に感謝。

(Uさん)-----------------------------------------------------------
そうだよな…でもそうすると「テズカ イズ デッド」なんていいながら、まだ手塚の手のひらなんですよ。
でも変なマンガはこれからもどんどん出てきますよ。若者は無謀だし、過去の作品をその時代背景とは無縁にサンプリングする危険性を持っているから。だから見ていてうれしいのですが。

(うおりゃー)-----------------------------------------------------------
>「テズカ イズ デッド」なんていいながら、まだ手塚の手のひらなんですよ。

そうそう。そのとおり。
「テヅカ イズ リビングデッド」という本、書いてください。
マンガゾンビ第2弾。

それに
日本の漫画ってさ。
手塚先生の系統だけじゃないじゃん。
日本の漫画はすべて手塚系・・・とか勘違いしてる人も多くて
ちょっと困るなあ。

ま、とにかく。
無謀に無茶をやって、
セオリーがどうたら・・・いうのを解体してもらいたいね。

「これが古典作法だ」と言いながら、そんなの無視しろ・・・とも思う。
原始に帰れ! 商売人よ、死ね! 神への祈りと恐れと呪いをこめて、
深層心理の坩堝より蘇れ、魂の漫画たちよ! ・・・ってな。ははは!

ま。「馬鹿やろうの言いなりになるな」ってことだけかもなあ。
あるいは「自分で自分の漫画を不自由にするな」というか。

好きなように、情熱を叩き付けて、すべてを破壊して、驀進してもらしたい。
キャラもエロも好きなようにガンガンやればよし。
パワーがあれば、なんでもいいや・・・というのも、本当なんだよね。
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(あくる日の日記『キャラクターとエロ』につづきます)
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by uorya_0hashi | 2007-10-12 10:21 | 漫画関連